せんねん灸セルフケアサポーター・日本不妊カウンセリング学会会員
腹痛を伴った便秘・下痢などの便通異常が慢性的に続いている・・・
それは「過敏性腸症候群」かもしれません。
過敏性腸症候群とは、小腸や大腸に腫瘍や炎症などの異常が見つからないのに、便通の異常や腹部の不快感が続く病気です。
便通異常の症状として、次の3つのパターンに分類されています。
便秘型の人は、ストレスを感じると便秘が悪化します。
下痢型の人は、緊張するとお腹を下します。
交替型の人は、便秘や下痢を繰り返して、便の状態が変動します。
過敏性腸症候群の主な症状は、腹痛、腹部不快感、便通異常(便秘型・下痢型・交替型)が挙げられます。
「腹痛」は、痛む場所が必ずしも一定していません。痛みの程度も軽いものもあれば、しぼられるような強い痛みが出るなど、程度は様々ですが、排便によって腹痛が和らぐのが特徴です。
「腹部不快感」は、下痢または便秘が長く続く、下痢と便秘を繰り返す、腹部膨満感、ゲップが多い、おならが多い、吐き気や嘔吐等が挙げられます。
「便通異常」で、
『便秘型』の場合は、腹痛がある慢性的な便秘、排便をする時に腹部が苦しくなる等が挙げられます。
『下痢型』の場合は、腹痛がある慢性的な下痢、1日に何度もトイレに行く等が挙げられます。
『交替型』の場合は、下痢と便秘を繰り返す、が挙げられます。
先に書いたように、大腸や小腸に異常がないため、命に関わる病気ではありませんが、つらい症状が長期間続くため、はやめに改善しておきたいものです。
また、女性の方が多く発症し、年齢とともに減ってくることがわかっています。
過敏性腸症候群の原因は、まだよくわかっていませんが、様々な説と誘因は、以下のように考えられています。
【誘因】
ストレス、緊張、脂肪分の多い食物、消化の悪い炭水化物(豆やとうもろこし等)、乳製品が誘因となって、症状が引き起こされていると言われています。
【原因】
ストレスが原因で、消化管の運動機能が障害され、下痢や便秘を生じる説や、刺激を痛みとして感じる、内臓知覚過敏説、その他様々な原因が考えられていますが、明らかな原因は未だにわかっていません。
診断には国際的な基準(ローマIII基準)が用いられます。
最近3カ月の間に、1カ月あたり3日以上の腹痛や、お腹の不快感が繰り返し起こり、下記の2項目以上の特徴を示すものとされます。
これらには、大腸がんなどの悪性腫瘍や、炎症性の腸疾患等の異常が見つからないことが条件であるため、大腸内視鏡検査や大腸造影検査を行います(当院では行えない検査です)。また、症状に応じて腹部超音波検査やCT検査等を使する場合があります(こちらも当院ではできません)。
一般的な病院やクリニックでは、薬物療法が一般的です。
それでも改善がみられない場合、鍼灸による非薬物療法を受けることが多いです。
鍼灸では、自律神経を整える、腸の働きを改善する、ストレスを解消する、を中心に、身体全体の巡りを整えます。
鍼灸を施すだけでなく、生活習慣の見直しも必要となってきますので、食事、睡眠、運動を心がけると良いでしょう。
12月のお灸教室は、第3日曜日の12月15日(日)に行います。完全予約制のため、12月10日(火)までにご予約ください。