せんねん灸セルフケアサポーター・日本不妊カウンセリング学会会員
前立腺は、精液の一部をつくる、男性だけが持つ臓器です。
加齢とともに前立腺が大きくなってしまうのが、前立腺肥大症です。
前立腺肥大症の原因は、現在のところはっきりとしたことはわかっていません。ただし、50歳前後を起点として、年齢が上がるにつれて患者数が増えていることから、男性ホルモンと女性ホルモンのバランスが崩れることが原因ではないかと考えられています。
前立腺の大きさは、クルミくらいの大きさですが、加齢とともに肥大すると、卵やみかんほどの大きさになると言われています。
肥大化すると、膀胱を圧迫するため、尿がそれほど溜まっていなくても、尿意を感じるため、頻尿になります。
それ以外にも、尿道を圧迫するため、尿の出方が悪く、終わってもまだ残っている感じがします。または残ってしまいます。
すると、膀胱にすぐに尿が溜まってしまうため、またすぐに尿意を感じます。
このように、排尿のトラブルがあった場合、泌尿器科では、過去にかかった病気をチェックするほか、「国際前立腺症状スコア」という質問票がよく使われます。
国際前立腺症状スコアは、自覚症状を点数化(スコア化)することで、客観的に病状を把握するのに使用されます。
質問内容を記しておきます。
この一か月の間に、以下のことが5回以上(最終項目は何回)ありましたか?
その後、前立腺や膀胱の状態を、直腸診、尿検査、腹部エコー検査、血液検査、尿流量測定などを調べていきます。
病院やクリニックでは、まず、薬物療法がおこなわれます。
症状が重く、薬物療法では十分な効果がみられない場合は、手術が行われます。
鍼灸では、初期の前立腺肥大症に適応があり、1990年代に論文が出されています。
よって、これに従って施術を進めていきます。
また、この症状は加齢によって進行すると言われていますが、食生活の欧米化が進んだ高度経済成長期以降、急激に増加していることから、メタボリックシンドロームと前立腺肥大症との関係が指摘されています。
そのため、生活習慣(食事、睡眠、運動)を見直すことも大切になっていきます。
12月のお灸教室は、第3日曜日の12月15日(日)に行います。完全予約制のため、12月10日(火)までにご予約ください。