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東洋医学の「肺」の働き

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東洋医学の「肺」の働き

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東洋医学の「肺」の生理作用


現代医学の肺の働きと、東洋医学の肺の働きは異なっています。

 

現代医学の肺の働きは、呼吸で取り込んだ酸素を、二酸化炭素と交換し吐き出します。

 

いっぽう、東洋医学の肺の働きは

  1. 呼吸を主る
  2. 宣発と粛降を主る
  3. 水道を通調する
  4. 皮毛を主る
  5. 肺は咽喉に通じ、鼻に開竅する
  6. 肺の液は涕
  7. 肺の表裏は大腸
  8. 肺の華は皮毛

このうち、1と2は、現代医学と同じ呼吸機能で、宣発(せんぱつ)とは呼気を差し、身体で使われ、不要となった濁気(二酸化炭素に相当)を体外に吐き出すといった働きがある。

 

粛降(しゅくこう)とは主に吸気を差します。粛降の粛は、静粛の粛であり、清らかであることを示します。すなわち、粛降作用とは、呼気を主として、気道を清潔にするといった意味があります。

 

3番目のは働きである“水道を通調する”ですが、水道とは、身体の水分(津液と呼びます)と栄養物質の通る道のことで、これらを全身に散布し、皮毛に行きわたらせることを“水道を通調する”といいます。

 

4番目の働きである、“皮毛を主る”ですが、皮毛を簡単に言うと、毛穴のことで、暑い時は毛穴を開き、寒い時は毛穴を閉じて体温の調節をしています。

 

5番目の働きである、“肺は咽喉に通じ、鼻に開竅する”とは、肺から喉を通って鼻の穴に通じている、という意味です。

 

6番目の働きである、“肺の液は涕”とは、肺から出る液体は、鼻水です、とい意味です。

 

7番目の働きである、“肺の表裏は大腸”とは、五臓六腑で考えると、肺は五臓に属しており、これに対応している六腑は大腸である、という意味です。

 

8番目の、“肺の華は皮毛”とは、4番目とかぶりますが、毛穴などの皮膚の状態をみると肺の状態がわかる、という意味です。

東洋医学の「肺」の病理作用


生理機能→病理変化で書いていきます。

  1. 気を主る→呼吸異常、息切れ
  2. 先発と粛降を主る→呼吸異常、咳嗽、喘息
  3. 水道を通調する→痰湿・痰飲(=浮腫)
  4. 皮毛を主る→表証が起こる(かぜのひき始め)
  5. 咽喉に通じ、鼻に開竅する→のどの痛み、鼻水・鼻頭まり
  6. 肺の液は涕→鼻水・鼻頭まり、鼻炎
  7. 肺の表裏は大腸→肺の異常は大腸に波及する

このようにみていくと、ほとんどが呼吸に関係する働きですが、3のたんやむくみにも関係してくるところをみると、やはり現代医学と東洋医学の間に、考え方の違いがみられることがわかります。

 

このことから、東洋医学の「肺」に関する病理変化のキーワードは

「咳嗽」「鼻の異常」「痰の異常」になります。

「肺」に属するツボは11個


肺は、東洋医学の「陰」と「陽」に分けると、「陰」に属します。

さらに「陰」を分けると、「太陰」、「少陰」、「厥陰」の3つになります。

 

肺は、手の「太陰」に属していて、11個のツボを有します。

 

難しい話しになってしまいましたが、「肺」の性質を持ったツボが11個あり、そのツボもそれぞれ特性を持っています。

 

今回は、ツボの特性の前に、ツボの名前を列挙します。

  1. 中府(ちゅうふ)
  2. 雲門(うんもん)
  3. 天府(てんぷ)
  4. 俠白(きょうはく)
  5. 尺沢(しゃくたく)
  6. 孔最(こうさい)
  7. 列欠(れっけつ)
  8. 経渠(けいきょ)
  9. 太淵(たいえん)
  10. 魚際(ぎょさい)
  11. 少商(しょうしょう)

肺に属するツボは少ないですが、色々なツボの特性があります。

(ツボ名をクリックすると、そのツボの説明のページに移動します)


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