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肺に属するツボ「雲門」

呼吸を整え、肩の辛さを感じる時に

雲門とは?


【雲門(うんもん)】は、手の太陰肺経に属するツボで、肺経の第2穴にあたります。肺経は、呼吸機能、気の巡り、胸や肩の動き、皮膚や体表の働き、免疫機能との関わりなどが深い経絡と考えられています。

  • 雲門の「雲」は、東洋医学において肺から生じる水分や気(エネルギー)が、霧や雲のように立ちのぼる様子を意味します
  • 雲門の「門」は、それらの気血が出入りする重要な場所を意味します

すなわち、大気から取り入れた天の気が雲のように集まり、全身を巡るエネルギーへと変換されて体内へと入っていく門戸、という意味を持っています。

 

その雲門は、胸の緊張をやわらげる、呼吸をしやすくする、肩の前側のこわばりをゆるめる、咳や胸の違和感をサポートすることを目的に用いられることがあります。

そのため、肩の前側のこり、胸の張り、深呼吸しづらい感じ、咳、息苦しさなどのお悩みに活用されることがあります。

 

 

雲門の探し方


雲門

 

雲門は、鎖骨の下を外側に沿ってなぞっていき、肩の手前で突き当たる、もっとも深いくぼみ(烏口突起の内側)にあります。

  1. 鏡の前で肩の力を抜き、背筋を伸ばして座るか、仰向けに寝ます。
  2. 鎖骨のすぐ下を、体の中心側から肩の方向に向かって指先で優しくなぞっていきます。
  3. 肩の関節に突き当たる手前で、指がすっぽり入り込む三角形の深いくぼみがあります。ここが雲門です(このくぼみから指幅1本分下に下がった場所が、前回紹介した中府になります)。

*肩の力を抜き、腕を自然に下ろした状態で探すと見つけやすくなります。鎖骨の近くで、その奥には肺があります。強く押さないようにしましょう。

雲門はこんなお悩みに


雲門は、次のようなお悩みに用いられることがあります。

  • 息苦しさ・浅い呼吸の改善: 胸を自然に広げ、肺にたっぷりと酸素を取り込めるようにして自律神経を整えます。
  • しつこい咳・気管支の不調: 呼吸器の機能を安定させ、咳き込みや喉のつかえ感を緩和します。
  • 巻き肩・猫背・姿勢の崩れ: 胸をふさいでいる大胸筋や小胸筋を緩め、正しい姿勢を保ちやすくします。
  • 頑固な肩こり・首こり: 肩甲骨や鎖骨まわりの可動域を広げ、首から肩にかけての慢性的な突っ張りを引き去ります。
  • 五十肩(肩関節周囲炎)の痛み: 肩を上げたり、後ろに回したりするときの引っかかりや痛みを和らげます。

そのほか、胸の張り、息苦しさ、などにも使用されることがあります。

特に、「長時間のデスクワークで肩が前に入りやすい」「胸が縮こまって呼吸が浅く感じる」というときのセルフケアとして取り入れられることがあります。

東洋医学では、肺の気がスムーズに巡ることで、呼吸だけでなく胸や肩の動きも整いやすくなると考えられています。

 

*強い胸の痛み、呼吸困難、高熱などがある場合は、セルフケアではなく速やかに医療機関を受診してください。

雲門のセルフケア方法


「すぐ下に太い鎖骨下血管や神経、肺の先端が位置するデリケートな場所」なので、“力任せにゴリゴリ揉んだりするのではなく、指の腹でゆっくりと圧を重ねる”のがポイントです

 

おすすめのケア方法は次のとおりです。

  • 火を使うお灸
  • 火を使わないお灸
  • パイオネックス(置き鍼)
  • ツボ押し

 

(注意点)

  • 火を使うお灸:じんわりとした温熱が鎖骨の下を通り、胸の奥深くまで届くことで、冷えて滞った呼吸器と肩関節の緊張を優しく溶かすように巡らせてくれます。毎日据えるのがおすすめです
  • 火を使わないお灸:日中の姿勢の崩れや、ストレスによる胸の詰まりを予防したい方に最適です。持続的な温熱が胸元を優しく緩め続けてくれます3時間以上は貼らないこと)
  • パイオネックス(置き鍼):小さな持続刺激が、デスクワーク中の無意識な前かがみ姿勢による強張りや、急な咳き込みを未然に防いでくれます(1日以上貼らないこと)
  • ツボ押し:右の雲門を刺激するときは左手の親指(または人差し指と中指)、左のときは右手の指を使います。斜め外側に向かって圧を沈め、ゆっくり緩めます。これを数回繰り返します

*雲門のすぐ奥には太い血管、神経、肺が存在します。早く肩を開きたいからと、力任せに激しく押すと、神経を傷つけて腕にしびれが出たり、肺に重大な損傷を与えたりする恐れがあり大変危険です。火を使うお灸も胸元は比較的皮膚が薄いため、「熱い」と感じたら我慢せずすぐに取り外してください。あくまで「心地よく胸が開く」ソフトな刺激を心がけましょう

セルフケアで変化が感じられない時は


 

肩や胸のこわばり、呼吸のしづらさには、猫背などの姿勢の乱れ、デスクワーク、ストレス、呼吸が浅くなる習慣、肩こり呼吸器の不調など、さまざまな要因が関係しています。

また、胸の奥の激痛が左肩・背中・顎へ広がる、呼吸や咳で胸の片側が刺すように痛む、発熱や血痰を伴う咳が続く場合は、心筋梗塞や気胸等の恐れがあります。すぐに循環器内科や救急外来等を受診してください。

 

 

セルフケアを続けても胸の苦しさや肩の重さがすっきり晴れない、という時は、無理をせず医師や鍼灸師に相談しましょう。

そのほか、背筋を伸ばすことを意識する、深呼吸を習慣にする、肩甲骨を動かすストレッチを取り入れる、適度に体を動かし、長時間同じ姿勢を避けるといった生活習慣の見直しも大切です。

 

鍼灸の施術では、手足や首・肩・肩甲骨、腰・骨盤などのツボを使用し、全身調整を行います。

それによって、雲門の持つ「天の気を取り込み、呼吸と上半身の巡りを大復活させる力」が最大限に引き出されるでしょう。

 

 


横須賀市の鍼灸院 山本鍼灸院

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