· 

小腸に属するツボ「秉風」

肩が詰まって重だるい時に

秉風とは?


【秉風(へいふう)】は、手の太陽小腸経に属するツボです。小腸経は、小指、手、腕、肩、首、顔へと流れており、特に肩や肩甲骨まわりのこり・緊張と関係が深い経絡とされています。

  • 秉風の「秉」は、手に持つ、主る、あるいは掌握することを意味します
  • 秉風の「風」は、は風邪(ふうじゃ)や空気の動きを意味します

体内に入り込もうとする「風の邪気」を食い止め、制御する役割があることから命名されました。

 

秉風は肩甲骨の上部にあり、肩こり、腕の上げにくさ、肩甲骨周囲の張り、背中のこりなどに使われることがあります。肩の可動域をサポートするツボとして、鍼灸や手技療法でもよく用いられます。

 

秉風の探し方


秉風

秉風は、“肩甲骨の上の縁(ふち)にある、腕を上げた時にへこむところ”にあります。

  1. 反対側の手で肩をまたぐように触れます。
  2. 前回の天宗の真上に指を滑らせます。
  3. 肩甲骨を横に走る骨の出っ張り(肩甲棘)を乗り越えたすぐ上のくぼみを探します。
  4. 腕を横に水平に上げた時に、最も深く凹む場所が秉風です。

*腕をゆっくり上げ下げすると、筋肉の動きで場所が分かりやすくなることがあります。

秉風はこんなお悩みに


秉風は次のようなお悩みに用いられることがあります。

  • 四十肩・五十肩: 腕を横に上げる時の痛み(外転痛)を緩和し、動きを楽にします。
  • 風邪の初期症状: 首から背中にかけての寒気や、節々の痛みを和らげます。
  • 肩こり・首こり: 肩甲骨の上部に溜まった疲労物質を流し、首の可動域を広げます。
  • 腕のしびれ: 肩周辺の神経の圧迫を緩め、指先までの重だるさをケアします。

そのほか、肩甲骨まわりの張り、デスクワークによる肩の疲れなどにも使用されることがあります。

特に肩甲骨の上側の緊張が強い方に使われることが多いツボです。

*強い痛みや急な可動域制限がある場合は、無理をせず医療機関へご相談ください。

秉風のセルフケア方法


骨のキワにある重要なポイントなので、“骨を避けて奥に響かせる”のがコツです

 

おすすめのケア方法は次のとおりです。

  • 火を使うお灸
  • 火を使わないお灸
  • パイオネックス(置き鍼)
  • ツボ押し

 

(注意点)

  • 火を使うお灸:「寒気がして肩がすくんでしまう時」に非常に有効です。温熱が肩の奥まで浸透し、滞っていた気が巡り出すのを感じられます(見えづらい場所なので、一人で行うと危険です)
  • 火を使わないお灸:風邪を引きやすい時期や、冷房で肩が冷えて固まっている時に最適です。じっくり温めることで、「風」の邪気が入るのを防ぎ、免疫のサポートにもつながります3時間以上は貼らないこと)
  • パイオネックス(置き鍼):腕を動かすたびに刺激が入るため、家事や仕事で腕を酷使する日の予防策として貼っておくのも効果的です(1日以上貼らないこと)
  • ツボ押し:反対側の手の指をツボに当て、息を吐きながら、真下に向かってじわーっと圧をかけます。手が届きにくい場合は、壁と背中の間にテニスボールを挟み、少しずつ位置を調整しながら体重をかけてみましょう

*肩甲骨の骨そのものを強く押しすぎないように注意してください。また、肩に激しい炎症(赤みや熱感)がある場合は、直接お灸を据えるのは避けましょう

セルフケアで変化が感じられない時は


肩のこりや動かしにくさ、安静にしていてもズキズキ痛む場合は、腱板の損傷や重度の炎症の可能性、猫背や巻き肩、長時間のパソコン作業、運動不足、首の緊張などが関係していることがあります。

 

自分でケアしても肩の引っかかりが取れない、と感じる時は、無理にセルフケアを続けずに、専門家や医療機関にご相談ください。

 

鍼灸の施術では、首や肩のツボのほか、手や足のツボを使用し、全身調整を行うことが多いです。

それによって、秉風の持つ「風を主る力」が最大限に発揮されるでしょう。


横須賀市の鍼灸院 山本鍼灸院

046-897-0919

[email protected]