突発的な耳鳴りやあごの強張りが気になる時に
耳門とは?
【耳門(じもん)】は、手の少陽三焦経に属するツボで、三焦経の第21穴にあたります。三焦は東洋医学において、気や水の通り道、耳や目など感覚器の働き、全身の巡り、自律神経のバランスなどに関わるとされています。
- 耳門の「耳」は、文字通り耳という器官そのものを指します
- 耳門の「門」は、人や物が出入りする玄関、あるいは重要な関所を意味します
すなわち耳門は、耳の機能(聴覚や平衡感覚)を守り、そこにこもったストレスの熱や濁ったエネルギーを外へ逃がすための「最前線の門戸」であることを示しています。
そのため耳門は、耳周辺の巡りを整える、耳鳴りを和らげる、耳の閉塞感を軽減する、聞こえの違和感をサポートするといった働きがあるとされ、耳鳴り、耳の詰まり感、難聴傾向、耳の違和感、顎関節周辺の不快感などに用いられることがあります。
特に、「耳周辺の巡りが悪くなり、聴覚に関わる不調が起きている状態」に適したツボです。
耳門の探し方
耳門は、耳の穴のすぐ前にある小さな突起(耳珠:じじゅ)の斜め前上方で、口を開けたときにペコッと大きく凹むところにあります。
- 首をまっすぐ正面に向け、耳の穴のちょうど前側にある、小さな軟骨の突起(耳珠:じじゅ)を確認します。
- その突起(耳珠)の「上のキワ」から、ほんのわずか(数ミリ)だけ前方(顔側)に指をずらします。
- そのまま少し口を「ポカン」と開けると、指先が中にすっぽりと吸い込まれるような、大きくて深いくぼみが現れます。ここが耳門です(口を閉じるとこのくぼみは平らになります)。
*耳の穴のすぐ前にあるツボのイメージです。押すと耳の奥に響くような感覚がある場所が目安です。
*顔面部は敏感なため、強く押しすぎないようにしましょう。
耳門はこんなお悩みに
耳門は、次のようなお悩みに用いられることがあります。
- 耳鳴り・難聴・耳の閉塞感(飛行機耳): 耳の機能を活性化し、長引く雑音や耳が詰まったような不快感をスッキリと開通させます。
- 顎関節症・あごの痛み・強張り: 噛み合わせに深く関わる筋肉(側頭筋や咬筋)の緊張をほぐし、口の開け閉めをスムーズにします。
- 気象病・めまい・立ちくらみ: 内耳の三半規管のはたらきを安定させ、天候の崩れによるフワフワしためまいを鎮めます。
- 偏頭痛・側頭部痛・歯の痛み: 顔面や側頭部を走る神経の過敏な興奮を和らげ、ズキズキする鋭い痛みを緩和します。
- 顔のむくみ・くすみ: 耳の前に密集するリンパや血管の通り道を綺麗にし、フェイスラインをシャープに引き締めます。
そのほか、聞こえにくさ、耳の違和感、耳周囲の痛みなどにも使用されることがあります。
特に、「耳の循環不良や機能低下による不調」に適しています。
*急な難聴や耳の強い痛み、めまいを伴う場合は医療機関へご相談ください。
耳門のセルフケア方法
「耳の神経やあごの関節が密接する場所」なので、“指の腹で優しく圧を沈める”のがコツです
おすすめのケア方法は次のとおりです。
- 火を使うお灸
- 火を使わないお灸
- パイオネックス(置き鍼)
- ツボ押し
(注意点)
- 火を使うお灸:「耳の周りが冷え切り、耳鳴りや難聴、あごの重だるさが長引いている時」に有効です。顔のすぐ横で髪の毛もある場所のため、ご家族などに手伝ってもらいましょう。熱さを我慢せず心地よい温熱をじわりと据えるだけで、耳の奥の巡りが一気に良くなります
- 火を使わないお灸:疲れが溜まると耳が詰まるという方に最適です。マイルドな温熱が耳の前からあごの付け根までをじんわりと温め、奥にある緊張がフッと解きほぐされていきます(3時間以上は貼らないこと)
- パイオネックス(置き鍼):短いパイオネックスを貼ることで、持続的に耳まわりの緊張を和らげ、ストレスによる急な耳鳴りやあごの痛みを未然に防ぐ効果が期待できます(1日以上貼らないこと)
- ツボ押し:口を少し開けてあごの力を抜きます。両手の人差し指の腹を左右のツボ(耳門)に当て、頭の中心(斜め後ろ方向)に向かって圧を加えます。あごの関節をいたわるように優しく指を沈めていくのがポイントです
*耳門はすぐ奥に顎関節や顔面神経が通っています。力任せにゴリゴリと激しく揉みほぐしたりすると、関節を痛めたり炎症を引き起こしたりする原因になります。痛気持ちいい〜優しい圧を意識してください。また、お灸を使用する際も、熱さを無理に我慢しないようにしましょう
セルフケアで変化が感じられない時は
耳鳴りや耳の詰まり感は、ストレス、睡眠不足、首肩こり、血流不良、自律神経の乱れなどが関係しています。
また、片方の耳が急に全く聞こえなくなった(突発性難聴などの疑い)、激しいめまいで吐き気がして一歩も動けない場合、あるいはあごが完全にロックされて口が全く開かなくなったといった場合は、一刻を争う可能性があるため、速やかに耳鼻咽喉科や歯科・口腔外科、脳神経外科などの医療機関を受診してください。
慢性の耳鳴りや顎関節の強張りが辛く、セルフケアを続けてもなかなかスッキリしない、という時は、無理をせず医師や鍼灸師にご相談ください。
そのほか、十分な睡眠をとる、首肩の緊張をほぐす、イヤホンの長時間使用を控える、適度に休憩をとる、ストレスをため込まないといった生活習慣の見直しも重要です。
鍼灸の施術では、手足や首・肩・肩甲骨、腰・骨盤などのツボを使用し、全身調整を行います。
それによって、耳門の持つ「耳と顔面の渋滞を解除し、聴覚と自律神経を整える力」が最大限に引き出されるでしょう。




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