· 

膀胱に属するツボ「承山」

足の疲れだけでなく腰とお尻のお悩みに

承山とは?


【承山(しょうざん)】は、足の太陽膀胱経に属するツボで、膀胱経の第57穴にあたります。膀胱経は体の後面を通り、自律神経の調整、筋肉の緊張緩和、血流や体液の巡りなどに関係する重要な経絡です。

  • 承山の「承」は、受ける・支えることを意味します
  • 承山の「山」は、ふくらはぎの大きく盛り上がった筋肉を山に見立てています

すなわち、立ち仕事や歩行で酷使される足の筋肉の負担を、一点で受け止めている場所であることを意味します。

 

承山は、アキレス腱と筋肉の合流点に位置しています。ここは「第二の心臓」のポンプが最も強く働く切り替え地点であり、ここを刺激することで、全身の血液循環を促し、腰や肛門周囲のうっ血を取り除くことに繋がります。

 

 

また、下半身の巡りにも関係するため、むくみや冷えにも応用されることがあります。

 

承山の探し方


承山

承山は、ふくらはぎの筋肉がアキレス腱へと変わる、V字のくぼみの先端にあります。

  1. まず、つま先立ちをしてみてください。
  2. ふくらはぎの筋肉(腓腹筋)が左右に分かれ、その下の真ん中あたりに「くぼみ」が現れます。
  3. 筋肉が終わり、アキレス腱へと移行するちょうど「V字の底」にあたる部分が承山です。
  4. 膝裏の委中と足首の太渓を結んだラインの、ほぼ中央付近に位置します。押すと指が奥へ入り込み、ズーンと足首まで響く感覚がある場所です。

*ふくらはぎの中央よりやや下、逆V字のくぼみ部分にあります。押すとズーンと響くようなポイントが目安です。

承山はこんなお悩みに


承山は、次のようなお悩みに用いられることがあります。

  • 足のむくみ・疲労: 滞った水分や血液を押し戻し、足をスッキリ細く軽くします。
  • こむら返り(足のつり): 筋肉の急激な痙攣を鎮め、夜中のつりなどの予防に役立ちます。
  • 痔・肛門疾患: 肛門周囲の血流を改善し、痛みや出血を抑える「痔の特効穴」として有名です。
  • 慢性腰痛・坐骨神経痛: 背中から足の裏まで繋がる筋膜の緊張を緩和し、腰の痛みを和らげます。
  • 便秘: 膀胱経のルートを通じて、排便をスムーズにするサポートをします。

そのほか、長時間の立ち仕事・歩行後の疲れ、むくみ、冷え(特に下腿)、運動後の筋肉疲労などにも使用されることがあります。

特に、「筋肉の使いすぎによるトラブル」に適したツボです。

 

*頻繁に足がつる場合や強い痛みがある場合は医療機関へご相談ください。

 

承山のセルフケア方法


アキレス腱との境界で組織が硬くなりやすいため、“温めてから、じわじわと深く沈める”のがコツです

 

おすすめのケア方法は次のとおりです。

  • 火を使うお灸
  • 火を使わないお灸
  • パイオネックス(置き鍼)
  • ツボ押し

 

(注意点)

  • 火を使うお灸:「足が冷え切っている時や、しつこい腰痛がある時」に非常に有効です。自分でも据えやすい場所です。心地よい熱さを感じる程度に据えましょう。熱が足の裏や腰の方へ抜けるような感覚があれば、非常に効果的です
  • 火を使わないお灸:冷え性で足がつりやすい方や、立ち仕事が長時間続く方に最適です。ここに「太陽」を貼って温めることで、ふくらはぎのポンプ機能が持続的に助けられ、夜の足の軽さが変わります3時間以上は貼らないこと)
  • パイオネックス(置き鍼):特に「痔」の予兆がある時や、腰痛が気になる時に貼っておくと、持続的な刺激が患部の血流を整えてくれます(1日以上貼らないこと)
  • ツボ押し:椅子に座って片足を反対側の膝に乗せるか、床で膝を立てます。両手の親指を重ねてツボに当て、息をゆっくり吐きながら、3〜5秒かけて奥へと押し込みます。押した状態で足首を上下に動かすと、筋肉と腱の境目が効果的に刺激され、溜まった疲れが抜けやすくなります

*アキレス腱に近い場所です。あまりに鋭い力で叩いたり、骨を突いたりしないよう注意してください。また、足に静脈瘤がある場合は、強い圧迫は避けましょう

セルフケアで変化が感じられない時は


ふくらはぎのトラブルは、筋肉疲労の蓄積、血流不良、水分・ミネラル不足、姿勢や歩き方のクセなどが関係しています。

また、ふくらはぎの痛みが異常に強く、皮膚の色が変わっていたり、歩行が困難なほどしびれたりする場合は、下肢静脈血栓症や腰椎椎間板ヘルニアなどの可能性があります。

 

自分でケアしても足の重みや痔の痛みが改善しない、と感じる時は、無理をせず専門医や鍼灸師に相談しましょう。

そのほか、こまめにストレッチを行う、入浴でしっかり温める、水分と電解質を補給する、長時間同じ姿勢を避けるといった日常ケアも重要です。

 

鍼灸の施術では、手足のツボや首、肩、腰などのツボを使用し、全身調整を行います。

それによって、承山の持つ「重荷を受け流し、巡りを取り戻す力」が最大限に引き出されるでしょう。


横須賀市の鍼灸院 山本鍼灸院

046-897-0919

[email protected]