ストレス・イライラ・目の疲れを感じるときに
肝兪とは?
【肝兪(かんゆ)】は、足の太陽膀胱経に属するツボで、膀胱経の第18穴にあたります。膀胱経は、目、頭、首、背中、腰、足へと体の後面を通る長い経絡で、東洋医学では体の緊張や自律神経のバランスとも関係が深いと考えられています。
- 肝兪の「肝」は、肝臓とその働きを意味します
- 肝兪の「兪」は、エネルギーが注ぎ込む場所を意味します
東洋医学において「肝」は、全身の気の流れをスムーズにし、血(けつ)を蓄える役割を担っています。
そのため、肝兪は、「肝」の働きと関係が深いツボとされ、ストレス、イライラ、目の疲れ、筋肉の張りなどに用いられることがあります。
特に、気持ちの緊張と体のこわばりが重なっているときに、ケアとして取り入れられることがあるツボです。
肝兪の探し方
肝兪は、肩甲骨の下端から指幅2本分ほど下の高さで、背骨から指2本分外側にあります。
- まず、左右の肩甲骨の一番下の角(下角)を結んだラインを確認します。
- そのライン(第7胸椎)から、背骨の突起をさらに2つ分下にたどります。
- 第9胸椎(背骨の9番目の突起)のすぐ下のくぼみを確認します。
- そこから真横(外側)へ指の幅2本分(約1.5寸)進んだ場所が肝兪です。
- 押すと、みぞおちの方まで響くような独特の重だるさを感じる場所です。
*押すと、やや響くような痛気持ちいい感覚がある場所が目安になります。強く押しすぎないようにしましょう。
肝兪はこんなお悩みに
肝兪は、次のようなお悩みに用いられることがあります。
- 眼精疲労・目のかすみ: 酷使した目の血流を促し、視界をクリアにします。
- イライラ・更年期特有の不快感: 高ぶった神経を落ち着かせ、気の滞りを解消します。
- 肝機能のサポート: お酒を飲む機会が多い方や、疲れが取れにくい時の代謝を助けます。
- 筋肉のこわばり・足がつる: 肝は「筋(すじ)」を司るため、全身の柔軟性を整えます。
- 脇腹の張り・胃の不快感: ストレスからくるお腹の張りを和らげるサポートをします。
特に、精神的な緊張と身体のこわばりが同時にあるときに使用されることが多いです。
*強い不調や長引く症状がある場合は医療機関へご相談ください。
肝兪のセルフケア方法
内臓の働きに深く関わる場所なので、“じっくりと持続的な温熱を加える”のがコツです
おすすめのケア方法は次のとおりです。
- 火を使うお灸
- 火を使わないお灸
- パイオネックス(置き鍼)
- ツボ押し
(注意点)
- 火を使うお灸:「体が冷えて顔色が青白い時や、慢性的な疲労がある時」に有効です。背中は自分では見えないため、家族に手伝ってもらうのが安全です。熱さを心地よく感じる程度で留めましょう
- 火を使わないお灸:「最近、目が疲れやすくて怒りっぽいな」と感じる時に最適です。ここに「太陽」を貼って温めることで、肝の気が静まり、穏やかな気分を取り戻せます(3時間以上は貼らないこと)
- パイオネックス(置き鍼):背中の中心部のしっかりした筋肉に対して持続的な刺激を与えることで、慢性的な目の疲れや、仕事のプレッシャーによる強張りを和らげます(1日以上貼らないこと)
- ツボ押し:仰向けに寝て、ツボの位置にテニスボールを置きます。息を吐きながら、じわーっと自分の体重を3〜5秒かけます。この時、ゆっくり深呼吸を繰り返すと、横隔膜を通して肝臓周辺の血流が良くなり、デトックス効果が高まります
*極度の睡眠不足や空腹時、あるいは激しい怒りを感じている直後の強い刺激は避け、優しく温める程度に留めてください
セルフケアで変化が感じられない時は
ストレスやイライラ、目の疲れは、長時間の画面作業、精神的な負担、睡眠不足、生活リズムの乱れなどが関係していることがあります。
また、白目が黄色っぽくなっている(黄疸)場合や、右の脇腹に激しい痛みがある場合は、肝胆系の疾患が隠れている可能性があります。
自分でケアしても目の疲れや倦怠感が一向に改善しない、と感じる時は、無理をせず内科や鍼灸師に相談しましょう。
鍼灸の施術では、手や足、首や腰などのツボを使用し、全身調整を行います。
それによって、肝兪の持つ「生命力を蓄える力」が最大限に引き出されるでしょう。




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