肩甲骨が重く呼吸が浅く感じる時に
附分とは?
【附分(ふぶん)】は、足の太陽膀胱経に属するツボで、膀胱経の第41穴にあたります。膀胱経は体の後面を通り、自律神経のバランス、筋肉の緊張、血流や体の防御機能などに関わる経絡です。
- 附分の「附」は、そば・寄り添うを意味します
- 附分の「分」は、分かれることを意味します
背骨のすぐ横を通ってきた膀胱経の流れが、ここでさらに外側のラインへと分かれて寄り添うように流れていく分岐点を示しています。
附分は、背中の上部、肩甲骨の内側付近に位置し、呼吸に関わる筋肉や、体表を守る働き(衛気)と関係すると考えられています。
そのため、呼吸の浅さ、疲れやすさ、風邪をひきやすい状態、背中のこりなどに対して用いられることがあります。
特に、「なんとなく体力が落ちている」「回復しにくい」と感じる方に適したツボです。
附分の探し方
附分は、首の付け根の下から背骨3つ分下がり、そこから背骨のラインを指4本分外側へ進んだ場所にあります。
- まず、首を前に倒した時に最も大きく出っ張る骨(第7頚椎)を確認します。
- そこから背骨の突起を3つ分下にたどります(第2胸椎と第3胸椎の間)。
- その高さで、背骨の中心から真横(外側)へ指の幅4本分(約3寸)進みます。
- 肩甲骨の内側の縁(ふち)のすぐ近くで、押すとズーンと肩の奥に響く感覚がある場所が附分です。
*押してみて、奥に響くような感覚がある場所が附分です。自分で押しにくい場所のため、道具の使用がおすすめです。
附分はこんなお悩みに
附分は、次のようなお悩みに用いられることがあります。
- 頑固な肩こり・首の強張り: 首の付け根から肩にかけての重いコリを緩和します。
- 背中の痛み・違和感: 肩甲骨の間が詰まったような不快感を解消します。
- 腕のしびれ: 首から腕にかけて走る神経の圧迫を和らげるサポートをします。
- 呼吸が浅い: 背中の筋肉を緩めることで、胸が開きやすくなり、深い呼吸を助けます。
- 寝違えの予防: 首回りの柔軟性を高め、急な筋肉のトラブルを防ぎます。
そのほか、慢性的な疲労感、風邪をひきやすい、自律神経の乱れ(だるさ・不眠など)、回復力の低下などに使用されることがあります。
特に、「疲れが抜けにくい」「体の守る力が落ちている」と感じる方に適しています。
*発熱や強い体調不良がある場合は無理せず休養を優先してください。
附分のセルフケア方法
肩甲骨のキワにあるため、“じっくりと圧を沈め、肩甲骨を動かしながら解く”のがコツです
おすすめのケア方法は次のとおりです。
- 火を使うお灸
- 火を使わないお灸
- パイオネックス(置き鍼)
- ツボ押し
(注意点)
- 火を使うお灸:「慢性の肩こりで感覚が鈍くなっている時や、背中がゾクゾクと寒い時」に非常に有効です。背中は自分では据えにくいため、家族に手伝ってもらうのが一番安全です。心地よい熱さを感じる程度に据えてもらいましょう
- 火を使わないお灸:冬場の寒さや冷房で肩がすくみ、背中が強張っている時に最適です。ここに「太陽」を貼って温めることで、血行が改善され、鉄板のような背中がじんわりと緩んでいきます(3時間以上は貼らないこと)
- パイオネックス(置き鍼):服の下に貼っておくだけで、仕事中も持続的にコリをほぐし、夕方の肩の重みを軽減してくれます(1日以上貼らないこと)
- ツボ押し:仰向けに寝て、ツボの位置にテニスボールを置きます。息をゆっくり吐きながら、じわーっと3〜5秒体重をかけます。ボールを当てたまま、同じ側の腕を上下左右にゆっくり動かすと、肩甲骨の内側の筋肉が効率よくマッサージされ、コリが芯から溶けていきます
*肩甲骨の隙間はデリケートです。尖ったもので強く突いたり、無理な強圧をかけたりするのは避け、リラックスした状態で行ってください
セルフケアで変化が感じられない時は
呼吸や疲労感に関わる不調は、姿勢(猫背・巻き肩)、自律神経の乱れ、睡眠の質、ストレス、内臓機能の低下など、複数の要因が関係していることがあります。
また、肩だけでなく、腕や手に激しいしびれや脱力感がある場合は、頸椎(首の骨)のトラブルが疑われます。
自分でケアしても肩こりや背中の痛みが改善しない、と感じる時は、無理をせず整形外科や鍼灸師に相談しましょう。
そのほか、深い呼吸を意識する、背中を丸めすぎない姿勢を保つ、十分な休養をとるといった生活習慣の見直しも大切です。
鍼灸の施術では、手足や首、腰などのツボを使用し、全身調整を行います。
それによって、附分の持つ「分岐し、流れを広げる力」が最大限に引き出されるでしょう。




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