呼吸の「つかえ」をスッキリさせたい時に
譩譆とは?
【譩譆(いき)】は、背中の上部にある膀胱経のツボで、主に呼吸機能や精神状態に関わるとされています。
- 譩譆の「譩」は、ため息や感情の動きを意味します
- 譩譆の「譆」は、声や呼気を意味します
このツボを押すと患者さんが思わず「イキッ(譩譆)」と声を出した、あるいはその声が響く場所であることに由来すると言われています。
足の太陽膀胱経の「外側ライン(2行線)」に属し、横隔膜の近くに位置しています。そのため、呼吸を主る筋肉の緊張を緩めたり、体内の余分な熱を放出したりする力が非常に強いツボとして知られています。
譩譆の探し方
譩譆は、肩甲骨の内側の縁で、背骨の突起6つ分と7つ分の間と同じ高さにある場所にあります。
- まず、首を前に倒した時に出る大きな骨から数えて、背骨の突起6つ分と7つ分の間(第6胸椎と第7胸椎の間)を確認します。
- その高さで、背骨の中心から真横(外側)へ指の幅4本分(約3寸)進みます。
- ちょうど肩甲骨の内側の縁の上に位置します。
- 前回の神堂から指の幅1本分ほど下に降りた位置です。押すとズーンと指が入り込み、周囲に響くような感覚がある場所が譩譆です。
*少しへこんでいて、押すと気持ちいい、と感じるポイントが目安です。
譩譆はこんなお悩みに
譩譆をいたわることで、以下のような状態のケアに役立ちます。
- 呼吸器のトラブル: 咳、喘息、息切れ、呼吸時の胸の痛みを緩和します。
- 背部痛・肩甲骨のコリ: 背中がこわばって動かしにくい、寝違えのような鋭い痛みを鎮めます。
- 肋間神経痛: 脇から胸にかけて走るピリピリとした痛みを和らげるサポートをします。
- 鼻血・顔ののぼせ: 上半身に溜まった余分な「熱」を下げる効果が期待できます。
- 心身の疲労: ため息が多く出るような、気力の減退や胸のつかえを解消します。
そのほか、ストレスや緊張が抜けない、胸の圧迫感、気分の落ち込み、不安感などにも使用されることがあります。
特に、「呼吸+メンタル」の不調に対して使いやすいツボです。
譩譆のセルフケア方法
横隔膜の動きに関わる場所なので、“呼吸のリズムに合わせて、深くじわじわと刺激する”のがコツです
おすすめのケア方法は次のとおりです。
- 火を使うお灸
- 火を使わないお灸
- パイオネックス(置き鍼)
- ツボ押し
(注意点)
- 火を使うお灸:「慢性的な喘息や、背中が冷えて痛む時」に非常に有効です。自分では手が届かないため、必ず家族などに手伝ってもらってください。熱さがじんわりと背中の深部まで染み渡るのを感じる程度に留めましょう
- 火を使わないお灸:風邪のひき始めで背中がゾクゾクする時や、ストレスで息苦しさを感じる時に最適です。ここに「太陽」を貼って温めることで、背中の血流が改善され、強張った筋肉がふわっと緩みます(3時間以上は貼らないこと)
- パイオネックス(置き鍼):背中の広い範囲が痛む場合、このツボを拠点として貼っておくと、動くたびに周囲の筋肉がほぐれ、痛みの引きが早まります(1日以上貼らないこと)
- ツボ押し:仰向けに寝て、ツボの位置にテニスボールを置きます。息を吐ききると同時に、自分の体重をボールに3〜5秒預けます。吐く息に合わせてボールが体の奥に入り込む感覚を意識すると、横隔膜の緊張が解け、驚くほど呼吸が楽になります
*非常に響きやすい場所ですので、痛みを我慢して強く押しすぎないようにしてください。また、食後すぐの強い刺激は避けましょう
セルフケアで変化が感じられない時は
譩譆は、「呼吸・自律神経・感情」に関わる繊細なツボです。そのため、身体の緊張が強い、ストレスが慢性化している、他の経絡バランスが崩れているといった場合、セルフケアだけでは十分な変化を感じにくいこともあります。
また、呼吸をするたびに「突き刺さるような痛み」がある場合や、激しい動悸を伴う場合は、肺や心臓、あるいは肋骨のトラブルが疑われます。
自分でケアしても背中の痛みや息苦しさが改善しない、と感じる時は、無理をせず内科や整形外科、鍼灸師に相談しましょう。
鍼灸の施術では、手足や腰、首などのツボを使用し、全身調整を行います。
それによって、譩譆の持つ「苦しみを外へ逃がす力」が最大限に引き出されるでしょう。




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