のぼせがあるのに全身の冷えを感じるあなたへ
然谷とは?
【然谷(ねんこく)】は、足の少陰腎経に属するツボで、腎経の第2穴にあたります。腎経は、生命力(精)、ホルモンバランス、水分代謝、自律神経の安定などに関わる重要な経絡です。
- 然谷の「然」は、燃える(燃焼)を意味します
- 然谷の「谷」は、山間のくぼみを意味します
腎経のエネルギーがこの谷で初めて火を灯し、生命の燃料として燃え始める様子を表しています。
然谷は、 足の少陰腎経の「滎火穴(えいかけつ)」にあたり、五行説では「火」の性質を持ちます。
そのため、腎経の中でも「熱」に関係する性質を持つとされ、身体の内側の余分な熱を調整する、上にのぼった熱を落ち着かせるといった働きがあると考えられています。
特に、冷えを改善するだけでなく、逆に体内の余分な熱(虚熱)を制御するのに適したツボです。
然谷の探し方
然谷は、足の内側のアーチ(土踏まず)の端にある、骨の出っ張りのすぐ下にあります。
- まず、足の内くるぶしを確認します。
- 内くるぶしから斜め前方の下に向かって指を滑らせると、土踏まずのあたりでポコッと大きく出っ張った骨(舟状骨粗面)に当たります。
- その大きく出っ張った骨のすぐ下、足の裏の皮膚との境目にあるくぼみが然谷です。
- 指で押し込むと、足のアーチの奥の方へズーンと響くような感覚がある場所です。
*内くるぶしのやや前下方、土踏まず寄りのくぼみにあるイメージです。押すとやや鋭い痛みや響きを感じることがあります。
然谷はこんなお悩みに
然谷は、次のようなお悩みに用いられることがあります。
- 重度の足の冷え: 身体の芯を温めるスイッチを入れ、血行を促進します。
- 喉の不調: 喉の腫れ、痛み、乾燥、声枯れなど、腎経のライン上にある喉の悩みを緩和します。
- 泌尿器・生殖器の悩み: 頻尿、残尿感、生理不順、不妊など、生殖機能のエネルギーを補います。
- 糖尿病・喉の渇き: 体内の水分調節を助け、異常な喉の渇きを鎮めます。
- 足のアーチの痛み: 偏平足や歩きすぎによる土踏まずの疲れを解消します。
そのほか、のぼせ、顔のほてり、足裏の熱感(ほてり)、寝つきの悪さ、イライラ、不安感、口の渇き、更年期様の症状、冷えのぼせ(上熱下寒)などにも使用されることがあります。
特に、「熱のバランスが崩れている状態」に適しています。
*強い症状や長引く不調は医療機関へご相談ください。
然谷のセルフケア方法
生命の火を絶やさないよう、“骨のキワを意識して、深くじっくりと熱を浸透させる”のがコツです
おすすめのケア方法は次のとおりです。
- 火を使うお灸
- 火を使わないお灸
- パイオネックス(置き鍼)
- ツボ押し
(注意点)
- 火を使うお灸:「喉が痛む時や、足が氷のように冷えている時」に非常に有効です。心地よい熱さを感じるまで据えましょう。この場所にお灸をすると、足裏からお腹、そして喉の方まで温かい気が昇っていく感覚が得られます
- 火を使わないお灸:夜、足が冷えてなかなか寝付けない方に最適です。「太陽」を貼っておくと、持続的な温熱刺激によって足元からポカポカと温まり、深い眠りに入りやすくなります(3時間以上は貼らないこと=寝る前は不可)
- パイオネックス(置き鍼):足の内側はアーチになっていて靴に当たりにくいため、日中も貼ったまま過ごしやすい場所です。歩くたびに「火」のエネルギーを活性化してくれます(1日以上貼らないこと)
- ツボ押し:椅子に座って片足を反対側の膝に乗せます。両手の親指を重ねて骨の下のくぼみに当て、息をゆっくり吐きながら、3〜5秒かけて奥へ押し込みます。押し上げた状態で足をグーパーさせると、深部の筋肉が動き、より効果的に刺激が伝わります
*皮膚が柔らかい場所です。お灸による火傷に注意し、熱すぎると感じたら無理をせず取り除いてください
セルフケアで変化が感じられない時は
ほてりやのぼせは、自律神経の乱れ、ホルモンバランスの変化、ストレス、睡眠の質などが関係しています。
また、強い喉の痛みとともに高熱が出ている場合や、足の冷えに伴い皮膚の色が紫っぽくなっている場合は、感染症や血流障害の可能性があります。
自分でケアしても喉の痛みや足の冷えが改善しない、と感じる時は、無理をせず専門医や鍼灸師に相談しましょう。
そのほか、身体を冷やしすぎない、入浴でリラックスする、深呼吸や軽いストレッチを取り入れる、睡眠環境を整えるといった生活習慣の見直しも重要です。
鍼灸の施術では、手足や首・肩・肩甲骨・腰などのツボを使用して、全身調整を行います。
それによって、然谷の持つ「生命の火を灯し、巡らせる力」が最大限に引き出されるでしょう。




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