目の奥の疲れやこめかみの頭痛が気になる時に
絲竹空とは?
【絲竹空(しちくくう)】は、手の少陽三焦経に属するツボで、三焦経の第23穴にあたります。三焦は東洋医学において、気や水分の通り道、頭部や感覚器の働き、目や耳の機能維持、自律神経のバランスなどに関わるとされています。
- 絲竹空の「絲竹」は、極細の「絹の糸」や「細い竹」を意味し、ここでは細く美しい「眉毛」を指しています
- 絲竹空の「空」は、骨の隙間や、気血がゆったりと注ぎ込む「くぼみ(空間)」を意味します
すなわち絲竹空は、眉毛の末端にある、細く繊細な骨のくぼみに位置するツボであることを示しています。
その絲竹空は、三焦経の最終地点であると同時に、目を巡る「胆経」の始発点(瞳子髎)へとエネルギーを手渡すバトンタッチゾーンです。
そのため絲竹空は、目の周囲の緊張をやわらげる、眉やこめかみの巡りを整える、目の疲れを軽減する、頭部の気血の流れを促すといった働きがあるとされ、眼精疲労、目の重だるさ、こめかみの頭痛、眉の張り感、目のかすみ感などに用いられることがあります。
特に、「目の使いすぎによって目の周囲に緊張が起きている状態」に適したツボです。
絲竹空の探し方
絲竹空は、眉毛の一番外側の端(眉尻)にある、骨の小さな凹みにあります。
- 鏡の前に立ち、自身の眉毛のラインを確認します。
- 眉毛に沿って、中心から外側(耳の方向)に向かって優しく指の腹でなぞっていきます。
- 眉毛がちょうど途切れる一番外側の端(眉尻)に指を止めます。
- その眉尻のすぐ下(またはキワ)を触ると、目の周りを囲む骨(眼窩:がんか)のふちが、ペコッと小さく凹んでいる空間があります。ここが絲竹空です。
*眉尻のすぐ外側にあるツボ」のイメージです。押すと目の奥やこめかみ周辺に響く感じがある場所が目安です。
*目の近くなので、眼球を押さないよう注意しましょう
絲竹空はこんなお悩みに
絲竹空は、次のようなお悩みに用いられることがあります。
- 眼精疲労・目のかすみ・目の充血: 目まわりの細い血管の巡りを改善し、デスクワークによる目の重だるさを解消します。
- まぶたのピクピク・顔面痙攣: ストレスや睡眠不足によって目元の筋肉や神経が過敏になり、勝手に引きつる症状を優しく鎮めます。
- 頑固な偏頭痛・眉間の痛み: おでこからこめかみ、側頭部にかけて走る緊張のラインを緩め、ズキズキする頭痛を和らげます。
- めまい・ふらつき・天気痛: 気圧の変動や自律神経の乱れからくる頭部の圧迫感をスッキリと引き下げます。
- 目の下のクマ・顔のむくみ・まぶたのたるみ: 目元のリンパ液や血液の滞りを綺麗に流し、すっきりとした美しい目元をサポートします。
そのほか、眉周辺の張り感、パソコンやスマホによる疲労、目の使いすぎによる不快感などにも使用されることがあります
特に、「目の疲労と側頭部の緊張が重なっている状態」に適しています。
*急激な視力低下、激しい目の痛み、強い頭痛がある場合は医療機関へご相談ください。
絲竹空のセルフケア方法
「目のすぐ近くにある、非常にデリケートな空間」なので、“指の重みでじわーっと圧をかける”のがコツです
おすすめのケア方法は次のとおりです。
- 火を使わないお灸
- パイオネックス(置き鍼)
- ツボ押し
(注意点)
- 火を使うお灸:目に極めて近く皮膚が薄いため、火傷をしやすく、さらに煙が目を刺激するため、おすすめしません
- 火を使わないお灸:目が完全に疲れて開けていられない時や、慢性的な偏頭痛の予防に最適です。目を閉じた状態で、「太陽」を貼ります。マイルドな温熱が目元からこめかみまでをじんわりと包み込み、張り詰めた視神経がリラックスモードへと切り替わります(3時間以上は貼らないこと)
- パイオネックス(置き鍼):目元は顔の印象を左右する場所ですが、ピタッと貼ることで、日常生活やデスクワーク中も目立つことなく持続的に目の周りの筋肉(眼輪筋)を緩め、疲れ目や目の奥の痛みを未然に防ぐ効果が期待できます(1日以上貼らないこと)
- ツボ押し:目を閉じ、両手の人差し指か中指の腹を左右のツボに優しく当てます。頭の中心に向かって優しく指を沈めていきます。押しながら、指の腹で眉尻をわずかに斜め上(こめかみの方向)に引き上げるようにすると、目元の緊張がさらに抜けやすくなります
*絲竹空はすぐ下に眼球や視神経、細い血管が通っています。必ず骨のふちの凹みを優しく圧迫することを意識してください。
セルフケアで変化が感じられない時は
目の疲れやこめかみの不快感は、長時間のパソコン作業、スマホの見過ぎ、睡眠不足、ストレス、首肩こりなどが関係しています。
また、突然片方の目が全く見えなくなった、激しい頭痛に伴って視野の一部が欠けたり物が二重に見えたりする、あるいはめまいと激しい吐き気で一歩も動けないといった場合は、一刻を争う脳血管や眼科的な重篤な疾患の可能性があるため、速やかに脳神経外科や眼科、救急医療機関を受診してください。
慢性の眼精疲労や偏頭痛が辛く、毎日セルフケアをしていてもすっきり目が開かない、という時は、無理をせず医師や鍼灸師にご相談ください。
そのほか、目を定期的に休ませる、蒸しタオルで目を温める、十分な睡眠をとる、首肩の緊張をほぐす、スマホやパソコンの使用時間を見直すといった生活習慣の見直しも重要です。
鍼灸の施術では、手足や首・肩・肩甲骨、腰・骨盤などのツボを使用し、全身調整を行います。
それによって、絲竹空の持つ「目と頭の滞りを解除し、視界をクリアに蘇らせる力」が最大限に引き出されるでしょう。




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