首・肩のこりや気圧による頭痛を和らげたい
外関とは?
【外関(がいかん)】は、手の少陽三焦経に属するツボで、三焦経の第5穴にあたります。三焦は東洋医学において、気血や水分の巡り、自律神経のバランス、熱の調整、上半身の循環などに関わるとされています。
- 外関の「外」は、身体の表面や外部環境、あるいは前腕の外側(甲側)を指します
- 外関の「関」は、気血が行き交う重要な関所を意味します
東洋医学の古典において「八脈交会穴(はちみゃくこうえけつ)」の一つに数えられ、足の「足臨泣(あしりんきゅう)」というツボと組み合わせることで、身体の側面(耳、側頭部、肩、脇など)のトラブルすべてを統括する非常に強い力を持ちます。
手のひら側にある「内関」とは表裏一体の関係にあり、内関が「内臓やメンタル」を守るのに対し、外関は「気候の変化や外邪」から身体を守る、まさに防衛の要となるツボです。
すなわち、「疲労やストレスで上半身の巡りが滞っている状態」に適したツボです。
外関の探し方
外関は、手首の甲側のシワから、肘に向かって指の幅3本分上がった、2本の骨の間にあります。
- 手のひらを下に向け、手首の甲側にある横シワを確認します。
- そのシワの中央(前回ご紹介した「陽池」の位置)に、反対の手の人差し指・中指・薬指の3本を揃えて当てます。
- 薬指が当たっている位置(手首のシワから指3本分上=約2寸)を確認します。
- 前腕には2本の骨(橈骨と尺骨)が並んで通っています。その2本の骨のちょうど隙間の真ん中が外関です。
- 親指でジワッと押すと、手首や指先に向かってズーンと独特の重い響きを感じる場所です。
*手首の少し上、腕の外側中央にあるツボのイメージです。押すとズーンと響くような感覚がある場所が目安です。力を入れすぎず、気持ちよい程度で刺激しましょう。
外関はこんなお悩みに
外関は、次のようなお悩みに用いられることがあります。
- 天気痛(低気圧による頭痛・めまい): 気圧の変動による自律神経の乱れを抑え、フワフワ感や偏頭痛を緩和します。
- 風邪の初期症状(発熱・悪寒): 体表に滞った熱を外へ発散させ、ゾクゾクする寒気やのどの痛みを鎮めます。
- 寝違え・首こり・肩こり: 首すじから肩甲骨まわりにかけての筋肉の強張りをガツンと緩めます。
- 耳鳴り・難聴・耳の詰まり: 三焦経のルートである耳の周辺の血流を良くし、不快な症状をすっきり通します。
- 手のシビレ・前腕の疲労: パソコン作業などで腕を酷使したときの筋肉の疲労や痛みを緩和します。
そのほか、目の疲れ、だるさ、ストレスによる不調などにも使用されることがあります。
特に、「上半身に熱や緊張がこもっている状態」に適しています。
*強い頭痛やしびれ、発熱が続く場合は医療機関へご相談ください。
外関のセルフケア方法
「外からの刺激をブロックし、気の巡りをスムーズにする場所」なので、“骨の隙間を狙って、持続的に心地よい刺激を送る”のがコツです
おすすめのケア方法は次のとおりです。
- 火を使うお灸
- 火を使わないお灸
- パイオネックス(置き鍼)
- ツボ押し
(注意点)
- 火を使うお灸:「風邪の引き始めでゾクゾク寒気がする時や、慢性的な首・肩こりがある時」に有効です。心地よい熱さが腕の芯まで染み通るように据えましょう。熱を入れることで、閉じ込められていた余分な熱や停滞が外へと発散され、身体がフッと軽くなります
- 火を使わないお灸:天気が崩れる予報が出ている時や、季節の変わり目に体調を崩しやすい方に最適です。ここに「太陽」を貼っておくことで、持続的な温熱が身体のバリア機能を安定させ、気象病の予防に効果を発揮します(3時間以上は貼らないこと)
- パイオネックス(置き鍼):デスクワーク中の肩こり予防や、移動中の頭痛対策のお守りとして非常に実用的です(1日以上貼らないこと)
- ツボ押し:腕をリラックスさせ、太ももの上などに置きます。反対の手の親指をツボに当て、息をゆっくりフゥーっと吐きながら、2本の骨の隙間の奥へ向かって垂直に押し込みます。寝違えなどで首が回らない時は、ここを押しながら首を優しく前後左右に動かすと、徐々に可動域が広がりやすくなります
*骨と骨の間の細い隙間にあるため、無理にゴリゴリと強く揉みすぎると筋肉を傷める原因になります。また、お灸を使用する際は皮膚を傷めないよう、熱さを我慢しすぎず心地よさを基準に行いましょう
セルフケアで変化が感じられない時は
首肩のこりや頭の重さは、長時間のスマホやPC作業、姿勢不良、ストレス、睡眠不足、眼精疲労などが関係しています。
また、突然の激しい偏頭痛に伴って目の前がチカチカする(閃輝暗点など)、あるいは首を後ろに反らせると腕に激しい激痛やしびれが走る場合は、他の疾患や頸椎のトラブルの可能性があるため、専門の医療機関を受診してください。
気象病の頭痛がひどく、セルフケアだけでは毎回寝込んでしまう、という時は、無理をせず医師や鍼灸師にご相談ください。
そのほか、肩や首を温める、長時間同じ姿勢を避ける、軽いストレッチを行う、目を休ませる、深呼吸を意識するといった日常習慣の見直しも重要です。
鍼灸の施術では、手足や首・肩・肩甲骨、腰や骨盤などのツボを使用し、全身調整を行います。
それによって、外関の持つ「外邪を退け、自律神経の波を瞬時に安定させる力」が最大限に引き出されるでしょう。




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