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心包に属するツボ「郄門」

動悸・不安感・急な胸の違和感を感じるときに

郄門とは?


【郄門(げきもん)】は、手の厥陰心包経に属するツボで、心包経の第4穴にあたります。心包は東洋医学において、心(しん)を守る、精神の安定、血の巡り、ストレスの緩和などに関わります。

  • 郄門の「郄」は、骨や筋肉の「隙間」を意味します
  • 郄門の「門」は、気血が出入りする重要な門番を意味します

心包経の気血が最も深く、そして勢いよく集まる隙間であり、ここに刺激を与えることで、心臓(心包)に発生した急激なトラブルを速やかに処理することができます。

 

また郄門は、「郄穴(げきけつ)」と呼ばれ、急性症状や痛み・発作的な不調に用いられ、動悸、不安感、胸の違和感、ストレスによる緊張、軽いパニック様の状態などに用いられることがあります。

 

特に、「急に症状が出る・波がある不調」に適したツボです。

 

郄門の探し方


郄門

郄門は、手首の横紋(内側のシワ)から、肘に向かって指の幅5本分上がった、2本の腱の間にあります。

  1. 手のひらを上に向け、手首の内側にある横シワを確認します。
  2. 手首のシワから肘に向かって、指の幅4本(3寸)+指の幅3本(2寸)の合計指7本分(約5寸)上がります。ちょうど前腕(手首から肘まで)の長さの下から半分より少し下のあたりです。
  3. 腕を軽く握ると、前腕の中央に2本の硬い筋(橈側手根屈筋腱と長掌筋腱)が浮き出ます。その2本の筋のちょうど真ん中の隙間が郄門です。
  4. 親指で骨の奥に向かって深く押し込むと、指先や胸に向かってズーンと重く響く強い感覚がある場所です。

*手首と肘の中間よりやや手首寄り、腕の内側の中央です。筋肉の間に軽い圧痛を感じることがあります。強く押しすぎないように注意しましょう。

 

郄門はこんなお悩みに


郄門は、次のようなお悩みに用いられることがあります。

  • 突発的な動悸・息切れ: 緊張やパニックによる急な心拍数の上昇を素早く鎮めます。
  • 狭心症のような胸の痛み: 胸の筋肉や心臓周辺の急激な強張りを緩めます。
  • 精神不安・ヒステリー: 高ぶった神経を落ち着かせ、パニック状態から冷静さを取り戻します。
  • 急な出血(鼻血・吐血): 血熱(血液の熱)を冷まし、体内の予期せぬ出血を抑える働きがあります。
  • 前腕の痛み・腱鞘炎: パソコン作業などで酷使した腕の筋肉の痛みを和らげます。

そのほか、緊張感、胸のつかえや違和感、ストレスによる息苦しさなどにも使用されることがあります。

特に、「精神的な負荷がかかり、急に症状が現れる状態」に適しています。

 

*胸の強い痛み、息切れ、長引く動悸がある場合は医療機関へご相談ください。

 

郄門のセルフケア方法


「急な滞りを深くから突き破る場所」なので、“骨の隙間の奥深くを狙って、しっかりと圧をかける”のがコツです

 

おすすめのケア方法は次のとおりです。

  • 火を使うお灸
  • 火を使わないお灸
  • パイオネックス(置き鍼)
  • ツボ押し

 

(注意点)

  • 火を使うお灸:「慢性的に胸が苦しく、腕まで冷え切っている時」に有効です。心地よい熱さが腕の奥の筋肉まで染み通るように据えましょう。熱を入れることで、隙間に固まっていた血液と気が一気に流れ出します
  • 火を使わないお灸:大事な発表や面接があり、事前に緊張を防ぎたい時に最適です。数時間前からここに「太陽」を貼っておくことで、持続的な温熱が心臓のバリアを安定させ、本番でのあがり症を防いでくれます3時間以上は貼らないこと)
  • パイオネックス(置き鍼):前腕中央の深い場所にツボがあるため、少し長さのあるタイプを貼ることで、日常生活の中で持続的に心臓へのレスキュー刺激を送り続けることができます(1日以上貼らないこと)
  • ツボ押し:腕をリラックスさせ、太ももの上などに置きます。反対の手の親指をツボに当て、息をフゥーっと吐きながら、2本の筋の奥に潜り込ませるように垂直に深く押し込みます。深呼吸をしながら行うと、胸のつかえがスッと取れていくのが実感できます

*非常に響きやすいツボですので、無理に激痛を伴う強さで押さないでください。また、急性の激しい症状に対してお灸を据える際は、熱さを感じやすいため火傷に注意し、心地よさを基準に行いましょう

セルフケアで変化が感じられない時は


動悸や不安感は、ストレス、自律神経の乱れ、睡眠不足、過労、カフェインや刺激物の影響などが関係しています。

また、安静にしていても締め付けられるような激しい胸の痛みが続く場合、痛みが左肩や背中、顎まで広がる場合、あるいは冷や汗を伴うような息苦しさがある場合は、心筋梗塞などの重大な疾患が疑われますので、一刻も早く医療機関を受診してください。

 

日常的に起こる動悸やあがり症が、セルフケアではなかなかコントロールできない、という時は、無理をせず医師や鍼灸師にご相談ください。

そのほか、深呼吸や瞑想を取り入れる、睡眠の質を見直す、カフェインを控える、リラックスできる時間を確保する、適度に体を動かすといった生活習慣の見直しも重要です。

 

鍼灸の施術は、手足や、首・肩・肩甲骨・腰・骨盤などのツボを使用し、全身調整を行います。

それによって、郄門の持つ「深い停滞を瞬時に打ち破り、心身を救う力」が最大限に引き出されるでしょう。


横須賀市の鍼灸院 山本鍼灸院

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