胸の張りや呼吸の浅さが気になるあなたへ
天渓とは?
【天渓(てんけい)】は、太陰脾経に属する胸部のツボです。東洋医学では脾は、気血の生成、水分代謝、消化吸収を担うと考えられています。
- 天渓の「天」は、身体の上部(胸部)を意味します
- 天渓の「渓」は、山間の細い流れやくぼみを意味します
胸部のエネルギーが、川の流れのように集まり、巡る場所であるという由来があります。
天渓は特に、胸部の気の巡りや張り感の調整に用いられることがあります。
産後の母乳不足や生理前の乳房の張り、食後の胸のつかえ感や、ストレスによる胸の緊張と関連して使われることもあります。
天渓の探し方
天渓は、乳頭の高さで、身体の中心から外側に指幅8本分ほど離れた肋骨の間にあります。
- リラックスした姿勢をとり、乳頭の高さを確認します(第4肋間)。
- その高さのまま、身体の中心線から外側に向かって指幅8本分(約6寸)移動します。
- 乳房のふくらみのすぐ外側、脇の下に近い肋骨の隙間を探します
- 第4肋骨と第5肋骨の間のくぼみで、押すと独特の響きがある場所が天渓です。
* 胸部はデリケートなため、強く押さないでください。
*前回の食竇のちょうど一つ上の肋間に位置します。
天渓はこんなお悩みに
天渓は次のようなお悩みに用いられることがあります。
- 乳房の張り・痛み:生理前など胸の違和感を緩和し、血流を整えます。
- 母乳のトラブル:出産後の母乳の出をスムーズにするサポートをします。
- 咳が出やすい・呼吸が浅い:肺の機能を助け、呼吸を深くすることで、胸のつかえや咳を鎮める助けとなります。
そのほか、食後のつかえ、ストレスによる胸苦しさ、肋間部の違和感などにも使用することがあります。
*強い胸痛や動悸、息切れがある場合は医療機関を受診してください。
天渓のセルフケア方法
デリケートな場所なので、“優しく、包み込むような刺激”を心がけましょう
おすすめのケア方法は次のとおりです。
- 火を使うお灸
- 火を使わないお灸
- パイオネックス(置き鍼)
- ツボ押し
(注意点)
- 火を使うお灸:乳房の組織に近いデリケートな場所ですので、熱すぎないよう十分注意し、肌に赤みが強く出る場合は控えてください
- 火を使わないお灸:胸の冷えや呼吸の浅さを感じる時に最適です(3時間以上は貼らないこと)
- パイオネックス(置き鍼):ストレスで呼吸が浅くなりがちな時に貼っておくと、無意識にリラックスを促せます(1日以上貼らないこと)
- ツボ押し:強く押すのではなく、胸を開くようなイメージで肋骨の隙間に向かってさする、なでるに近い感覚で
*妊娠中や授乳中の方は、専門家に相談してから行ってください
*乳腺炎や炎症がある方は、直接的な刺激は避けてください
セルフケアで変化が感じられない時は
胸の張りや呼吸の苦しさが改善しない場合、ホルモンバランスの大きな乱れや、ストレス、自律神経の乱れ、胃腸機能の低下、冷えなどが関係していることがあります。
セルフケアをしても、胸のつかえが取れない、と感じる時は、無理をせずに専門家に相談してください。
鍼灸では、背中や手足のツボなどを使用して、全身調整を行います。
それによって、天渓の持つ「巡りを良くする力」がより強力に感じることができるでしょう。




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