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肝に属するツボ「中都」

急な月経痛や下腹部痛と不安のケアに

中都とは?


【中都(ちゅうと)】は、足の厥陰肝経に属するツボで、肝経の第6穴にあたります。また、肝経の郄穴(げきけつ)として知られ、急性の痛みや経絡の気血の滞りがあるときに用いられることが多いツボです。肝経は、気や血の巡り、自律神経のバランス、筋肉や腱の働き、下半身の巡り、女性特有のお悩みなどと関わりが深い経絡とされています。

  • 中都の「中」は、内側、真ん中、あるいは生殖器(中極)へと通じる場所を意味します
  • 中都の「都」は、多くのエネルギーや物資が集まる盛んな場所を意味します

すなわち、肝経の気血が最も豊かに集まり、生殖器やお腹の急な痛みをコントロールする中心地、という意味を持っています。

 

そのため中都は、すねの内側の張り、足の疲れ、下半身の重だるさ、足の冷え、月経に伴う不調などのお悩みに用いられることがあります。

また、立ち仕事や歩きすぎなどで下半身に疲労がたまったときのセルフケアにも取り入れられています。

中都の探し方


中都

中都は、足の内くるぶしの最も高いところから、すねの骨の内側を指幅9本分(7寸)上に上がったところにある、骨の上の小さなくぼみにあります。

  1. 床に座って膝を軽く曲げて外側に倒し、すねの内側の平らな骨(脛骨)を確認します。
  2. 内くるぶしの頂点から、すねの骨の内側に沿って上に「7寸(指4本分を2回+親指1本分)」上がったところです。
  3. 骨のキワにあり、5寸の高さにある蠡溝から指3本分上の位置のツボです。

蠡溝と同じく、骨のキワではなく「骨の真上」にあるのが特徴です。蠡溝よりもやや膝に近い位置にあります。押すと心地よい圧痛を感じることがあります。

中都はこんなお悩みに


中都は、次のようなお悩みに用いられることがあります。

  • 急激な生理痛・下腹部痛: 生理直前や生理中に起こる、下腹部の激しい痛みや差し込むような痛みを和らげます。
  • 月経前症候群(PMS): 下腹部がギューッと張る不快感や、それに伴う急なイライラ・気分の落ち込みを鎮めます。
  • 産後の腹痛・悪露の滞り: 出産後の子宮の収縮をサポートし、下腹部に残る痛みを優しく緩和します。
  • 足腰の冷え・重だるさ: 下半身を縦に走るエネルギーの滞りを解消し、足腰が冷えて重く、だるい状態をすっきりさせます。
  • 急な下痢・お腹のゴロゴロ: ストレスや冷えによって急に起こるお腹の不調や、キリキリとした痛みを落ち着かせます。

そのほか、足の疲れ、すねの内側の張り、下半身の重だるさ、歩きすぎによる筋肉の疲れなどにも使用されることがあります。

特に、「立ち仕事のあとに足が重だるい」「歩いたあとにすねの内側が張る」というときのセルフケアとして活用されることがあります。

東洋医学では、郄穴は経絡の気血が集まりやすい場所とされ、急な痛みや違和感があるときにも用いられることがあります。

 

*転倒後の強い痛みや腫れ、歩行が困難な場合は、セルフケアではなく整形外科などの医療機関を受診してください。

 

中都のセルフケア方法


「骨の真上にある急性のツボ」なので、“骨に向かって垂直に、じんわりと深い圧を3〜5秒間持続させる”のがポイントです

 

おすすめのケア方法は次のとおりです。

  • 火を使うお灸
  • 火を使わないお灸
  • パイオネックス(置き鍼)
  • ツボ押し

 

(注意点)

  • 火を使うお灸:じんわりとした温熱が骨を通して奥まで深く染み込み、冷えてガチガチに滞った経絡を優しく溶かすように巡らせてくれます。毎日据えるのがおすすめです
  • 火を使わないお灸:生理周期に合わせて、急激なお腹の痛みに襲われる方に最適です。お部屋でリラックスしている時間に「太陽」を貼り、持続的な温熱でお腹の緊張を大元から緩めましょう3時間以上は貼らないこと)
  • パイオネックス(置き鍼):小さな持続刺激が、日中の急な月経痛の波や、夕方にやってくる足腰の重だるさを未然に防いでくれます(1日以上貼らないこと)
  • ツボ押し:骨の上のくぼみに手の親指の腹を当てます。骨を垂直に押し込むように深く圧をかけ、ゆっくり緩めます。これをお腹の痛みが和らぐまで数回繰り返します

*中都は郄穴(激しい症状のときに使うツボ)であるため、不調のときは特に痛みを敏感に感じやすい場所です。早く痛みを止めたいからと、激しく押したりすると、骨膜を痛めて逆効果になります。火を使うお灸も皮膚が薄い場所ですので、「熱い」と感じたら我慢せずすぐに外してください。あくまで「痛気持ちいい、深く響く」範囲で行いましょう

セルフケアで変化が感じられない時は


足の疲れや冷えには、長時間の立ち仕事、歩きすぎ、運動不足、冷え、血行不良、筋肉の緊張など、さまざまな要因が関係しています。

また、のたうち回るほどの激しい腹痛、急激な不正出血、高熱を伴う下腹部の痛み、あるいは痛みがどんどん強くなって歩けない場合は、内臓の急性疾患の可能性もあるため、速やかに医療機関(婦人科、内科など)を受診してください。

 

セルフケアを続けても月経痛のひどさや足腰の冷えだるさが抜けない、という時は、無理をせず医師や鍼灸師に相談しましょう。

そのほか、足を冷やさないようにする、ウォーキングやストレッチを無理のない範囲で続ける、長時間同じ姿勢を避ける、入浴で身体を温め、疲れをため込まないようにするといった生活習慣の見直しも大切です。

 

鍼灸の施術では、手足や首・肩・肩甲骨、腰・骨盤などのツボを使用し、全身調整を行います。

それによって、中都の持つ「経絡の滞りを一気に打ち破り、急な痛みを鎮める力」が最大限に引き出されるでしょう。


横須賀市の鍼灸院 山本鍼灸院

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