膝の内側が重くて突っ張る時に
膝関とは?
【膝関(しつかん)】は、足の厥陰肝経に属するツボで、肝経の第7穴にあたります。肝経は、気や血の巡り、筋肉や腱の働き、関節の動き、下半身の巡り、自律神経のバランスなどと関わりが深い経絡とされています。
- 膝関の「膝」は、その名の通り膝関節を指します
- 膝関の「関」は、門のカンヌキや、物事が交わる重要な関所(関節)を意味します
すなわち、膝関節の機能やスムーズな動きをコントロールするための、内側の重要な関所、という意味を持っています。
その膝関は、膝関節の内側に位置し、特に膝周囲の筋肉や腱の緊張を和らげ、関節の動きをサポートすると考えられています。
そのため、膝の内側の違和感、膝の曲げ伸ばしのしにくさ、歩行時の膝の重だるさ、階段の上り下りで感じる膝の負担、足の疲れなどのお悩みに用いられることがあります。
また、運動後や長時間歩いたあとの膝のセルフケアとしても活用されています。
膝関の探し方
膝関は、膝の内側にある大きな骨のでっぱりから、真後ろ(ふくらはぎ側)へ「指幅3本分(2寸)」進んだところにある、筋肉のふちのくぼみにあります。
- 床に座って膝を軽く曲げ、膝の内側にある大きくて丸い骨の出っ張り(脛骨内側髁)を確認します。
- その骨の出っ張りのすぐ後ろ側に、脾経の陰陵泉があります。膝関はそこからさらに「真後ろ(ふくらはぎ側)へ親指1本分(1寸)」進んだところにあります。
- 太ももの裏から続く太い筋肉のふち(半腱・半膜様筋腱の移行部付近)に触れる、少しペコッと凹む場所が膝関です。
*膝を軽く曲げると、くぼみがわかりやすくなります。押すと心地よい圧痛を感じることがあります。
膝関はこんなお悩みに
膝関は、次のようなお悩みに用いられることがあります。
- 膝の内側の痛み: 階段の上り下り、立ち上がり、歩き始めに起こる膝の内側のズキズキとした痛みを緩和します。
- 膝関節の突っ張り・硬さ: 関節まわりの腱がほぐれ、正座がしにくい、膝がまっすぐ伸びきらないといった強張りを緩めます。
- 膝の腫れ・水が溜まる不調: 関節周囲の余分な水分の代謝を促し、重だるい腫ぼったさをスッキリさせます。
- ふくらはぎの冷え・だるさ: 下半身を走る経絡の巡りを良くし、夕方になると足が冷えてパンパンに張るのを和らげます。
- 股関節から膝にかけての連動痛: 脚の内側のライン全体を緩め、歩行時の脚全体のギクシャクした動きを滑らかにします。
そのほか、膝の内側の違和感、歩行時の膝の負担、階段で感じる膝の違和感、足の疲れなどにも使用されることがあります。
特に、「歩き始めに膝が動かしにくい」「膝の内側が張るように感じる」というときのセルフケアとして取り入れられることがあります。
東洋医学では、肝は「筋を主る」とされ、筋肉や腱の柔軟性に関わると考えられています。膝関は、膝周囲の巡りを整え、スムーズな動きをサポートする目的で用いられるツボです。
*膝が大きく腫れている場合や、転倒後の強い痛み、熱感を伴う場合は、セルフケアではなく整形外科などの医療機関を受診してください。
膝関のセルフケア方法
「太い骨のふちと、硬い筋肉のあいだにある奥深い場所」なので、“骨の裏側へじわーっと指圧を滑り込ませる”のがポイントです
おすすめのケア方法は次のとおりです。
- 火を使うお灸
- 火を使わないお灸
- パイオネックス(置き鍼)
- ツボ押し
(注意点)
- 火を使うお灸:じんわりとした温熱が関節の奥まで深く染み込み、冷えて硬くなった腱を柔らかく溶かすようにほぐしてくれます。毎日据えるのがおすすめです
- 火を使わないお灸:立ち仕事やデスクワークで、夕方になると膝が重だるく突っ張る方に最適です。持続的な温熱が関節の奥を温め、日中の歩き疲れをリセットしてくれます(3時間以上は貼らないこと)
- パイオネックス(置き鍼):小さな持続刺激が歩行時の膝への負担を軽減し、無意識な関節の強張りを未然に防いでくれます(1日以上貼らないこと)
- ツボ押し:膝を軽く曲げた状態で、くぼみに両手の親指を重ねて当てます。骨の裏側へ向かって深く押し込み、その後緩めます。これを数回繰り返すと、膝まわりが軽くなり曲げ伸ばしがラクになります
*膝関の周囲は細い神経や血管が走っています。早く膝の痛みをとりたいからと、力任せに押したりすると、炎症を悪化させたり内出血を起こしたりする原因になります。火を使うお灸も皮膚がデリケートな場所ですので、「熱い」と感じたら我慢せずすぐに外してください。あくまで「痛気持ちいい、心地よく響く」範囲で行いましょう
セルフケアで変化が感じられない時は
膝の違和感やこわばりには、加齢による変化、筋力の低下、長時間の立ち仕事、運動不足、冷え、関節への負担など、さまざまな要因が関係しています。
また、ひねった覚えがないのに急に膝が赤く腫れ上がって熱を持っている場合、激痛で全く足がつけない場合、あるいは膝を動かしたときに「パキッ」と大きな音がして外れるような感覚がある場合は、半月板や靭帯の損傷、専門的な関節炎の可能性があるため、速やかに医療機関(整形外科など)を受診してください。
セルフケアを続けても膝の内側の痛みが引かない、という時は、無理をせず医師や鍼灸師に相談しましょう。
そのほか、膝を冷やさないようにする、太ももの前後を軽くストレッチする、ウォーキングなどの無理のない運動を続ける、長時間同じ姿勢を避け、適度に身体を動かすといった生活習慣の見直しも大切です。
鍼灸の施術では、手足や首・肩・肩甲骨、腰・骨盤などのツボを使用し、全身調整を行います。
それによって、膝関の持つ「関節のカンヌキを外し、膝を滑らかに動かす力」が最大限に引き出されるでしょう。




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