肩と背中のこりが抜けにくいと感じるときに
肩外兪とは?
【肩外兪(けんがいゆ)】は、手の太陽小腸経に属するツボです。小腸経は小指、手、腕、肩、背中、首、顔へと流れている経絡で、特に肩や肩甲骨まわりの不調と関係が深いとされています。
- 肩外兪の「肩」は、そのまま肩を意味します
- 肩外兪の「外」は、背骨(正中線)から離れた外側を意味します
- 肩外兪の「兪」は、エネルギーが注ぐ場所を意味します
背骨のすぐ横にある「肩中兪(けんちゅうゆ)」に対し、その外側の肩甲骨寄りに位置することから名付けられました。
肩外兪は、背中の上部、肩甲骨の内側付近にあり、肩こり、背中の張り、首から肩の緊張などに用いられることがあります。
デスクワークやスマートフォンの使用などで、背中が丸くなりやすい方のセルフケアとしても知られています。
肩外兪の探し方
肩外兪は、首の付け根の大きな骨から、指4本分外へ進んだ、肩甲骨の内側の角にあります。
- 首を前に倒した時に一番大きく突き出る骨(第7頚椎)を確認します。
- その骨のすぐ下のくぼみから、真横(外側)へ指幅4本分(約3寸)進みます。
- ちょうど肩甲骨の内側のヘリの一番上の角(上角)に突き当たります。
- その骨のキワにある、押すと首の方までズーンと響く場所が肩外兪です。
*背中にあるため、テニスボールなどを使うと見つけやすい場合があります。
肩外兪はこんなお悩みに
肩外兪は次のようなお悩みに用いられることがあります。
- 慢性的な激しい肩こり: 首から肩にかけての盛り上がったようなコリを芯から解きほぐします。
- 首の痛み・寝違え: 首を傾けたり回したりした時の痛みを緩和し、可動域を広げます。
- 肩甲骨周りの重だるさ: 背中に張り付いたような不快感を解消する助けとなります。
- 腕のしびれ: 肩周辺の神経の圧迫を和らげ、腕や指先の感覚を整えます。
そのほか、背中の張り、首から肩の緊張、デスクワークによる疲れなどにも使用されることがあります。
特に肩から背中にかけて広がるこりを感じる方に使われることが多いツボです。
*強い痛みやしびれがある場合は、無理をせず医療機関へご相談ください。
肩外兪のセルフケア方法
筋肉が厚く、コリが深い場所なので、“骨のキワを深く、じっくり攻める”のがコツです
おすすめのケア方法は次のとおりです。
- 火を使うお灸
- 火を使わないお灸
- パイオネックス(置き鍼)
- ツボ押し
(注意点)
- 火を使うお灸:「肩が冷えて固まり、感覚が鈍くなっている時」に非常に有効です。温熱が筋肉の層を通り抜けて奥まで伝わり、肩がふっと軽くなるのを感じられます(見えづらい場所なので、一人で行うと危険です)
- 火を使わないお灸:デスクワークが多い方や、常に肩が凝っている方に最適です。仕事中も持続的に血行を促し、コリの蓄積を未然に防いでくれます(3時間以上は貼らないこと)
- パイオネックス(置き鍼):非常にコリが強い場所なので、少し長めのタイプで持続的な刺激を与えるのが、頑固な強張りを解く近道です(1日以上貼らないこと)
- ツボ押し:反対側の手の中指に人差し指を重ね、肩を上から押さえ込むようにします。手が届きにくい場合は、壁と背中の間にテニスボールを挟み、自分の体重を預けてください
*肩甲骨の骨そのものを強く押しすぎないよう注意し、揉み返しを防ぐために、一度に長時間やりすぎないよう心がけてください
セルフケアで変化が感じられない時は
腕が全く上がらない、あるいは指先に強いしびれや冷感がある場合や、肩や背中のこりは、頚椎のトラブルや神経根の圧迫、猫背や巻き肩、長時間のパソコン作業、運動不足、首の緊張などが関係していることがあります。
自分でケアしても肩の重苦しさが一向に引かない、と感じる時は、無理に刺激を強めず、専門家や医療機関にご相談ください。
鍼灸の施術では、首や肩甲骨、手や足のツボを使用し、全身調整を行います。
それによって、肩外兪の持つ「肩を解放する力」が最大限に発揮されるでしょう。




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