血の巡りと横隔膜の緊張が気になる時に
膈兪とは?
【膈兪(かくゆ)】は、足の太陽膀胱経に属するツボで、膀胱経の第17穴にあたります。膀胱経は、目、頭、首、背中、腰、足へと体の後面を通る長い経絡で、東洋医学では体の緊張や自律神経のバランスとも関係が深いと考えられています。
- 膈兪の「膈」は、横隔膜を意味します
- 膈兪の「兪」は、エネルギーが注ぎ込む場所を意味します
文字通り横隔膜のすぐそばに位置し、胸とお腹を隔てる境界線を整える役割を担っています。
また、膈兪は、「血会(けつえ)」とも呼ばれ、血の巡りと関係が深いツボとされ、肩こり、冷え、だるさ、肌の不調などに用いられることがあります。特に、「巡りが悪い」と感じる状態に対して、ケアとして取り入れられることがあるツボです。
膈兪の探し方
膈兪は、肩甲骨の下端を結んだライン上、背骨の7番目の出っ張りから指2本分外側にあります。
- 左右の肩甲骨の一番下の角(下角)を結んだ水平なラインを確認します。
- そのラインが背骨と交わる場所が、第7胸椎(背骨の7番目の突起)です。
- 第7胸椎の突起のすぐ下のくぼみを確認します。
- そこから真横(外側)へ指の幅2本分(約1.5寸)進んだ場所が膈兪です。
- ちょうど肩甲骨の内側のヘリに位置し、押すと深く響く場所です。
*押すと、やや響くような痛気持ちいい感覚がある場所が目安になります。強く押しすぎないようにしましょう
膈兪はこんなお悩みに
膈兪は、次のようなお悩みに用いられることがあります。
- 血液のトラブル: 貧血、冷え性、月経不順など、血の巡りや不足を整えます。
- しゃっくり・ゲップ: 横隔膜のけいれんを鎮め、逆流してくる気を落ち着かせます。
- 呼吸困難・息切れ: 横隔膜の動きをスムーズにし、呼吸を深く楽にするサポートをします。
- 胃の不調・食欲不振: 胃のつかえ感や吐き気を和らげ、消化機能を助けます。
- 慢性的な背中の痛み: 肩甲骨周辺の頑固な強張りを解きほぐします。
そのほか、肩こり、冷えやすい、疲れやすい、肌の調子が不安定などにも使用されることがあります。
特に、冷えやコリ、だるさなどが重なっているときに、セルフケアとして取り入れやすいツボです。
*強い痛みや体調不良が続く場合は医療機関へご相談ください。
膈兪のセルフケア方法
体幹の深部に働きかける場所なので、“温熱で血を温め、巡りを促す”のがコツです
おすすめのケア方法は次のとおりです。
- 火を使うお灸
- 火を使わないお灸
- パイオネックス(置き鍼)
- ツボ押し
(注意点)
- 火を使うお灸:「慢性の血液疾患や、胃のつかえがひどい時」に非常に有効です。背中は自分では見えないため、家族に手伝ってもらうのが安全です。熱さを心地よく感じる程度で留めましょう
- 火を使わないお灸:冷え性の方や、貧血気味で疲れやすい方に最適です。ここに「太陽」を貼って温めることで、全身の「血」が温まり、末端まで巡りが良くなるのを実感できます(3時間以上は貼らないこと)
- パイオネックス(置き鍼):背中の中心部の筋肉は厚いため、しっかりとした刺激を継続的に与えることで、慢性的な胃の弱りや息苦しさを改善する助けとなります(1日以上貼らないこと)
- ツボ押し:仰向けに寝て、ツボの位置にテニスボールを置きます。息を吐きながら、じわーっと自分の体重をかけます。この時、ゆっくりと深呼吸を繰り返すと、横隔膜がストレッチされて深部のコリが緩みやすくなります
*背骨に近い場所ですので、尖ったもので強く叩いたりしないでください。また、極度の空腹時や飲酒後の強い刺激は避けましょう
セルフケアで変化が感じられない時は
冷えや血行不良、肩こりは、運動不足、ストレス、生活習慣の乱れなどが関係していることがあります。
また、突然の激しい胸の痛みや、吐血、黒い便が出るような場合は、消化器や循環器の重大な疾患が隠れている可能性があります。
自分でケアしても胃のつかえや息切れが改善しない、と感じる時は、無理をせず内科や鍼灸師に相談しましょう。
鍼灸の施術では、手足のツボや首、腰などのツボを使用して、全身調整を行います。
それによって、膈兪の持つ「浄化と循環の力」が最大限に引き出されるでしょう。




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