お尻と腰のこわばりの不調があるあなたへ
中膂兪とは?
【中膂兪(ちゅうりょゆ)】は、背中側にある膀胱経のツボで、腰部の深層筋や骨盤周囲の状態に関係する重要なポイントです。
- 中膂兪の「中」は、中央を意味します
- 中膂兪の「膂」は、背骨の両側に盛り上がった筋肉(脊柱起立筋)を意味します
- 中膂兪の「兪」は、そのエネルギーが注ぎ込む場所を意味します
すなわち、背中から腰、お尻へと続く筋肉の要所を整える役割を担っています。
特に、「表面的なコリ」というより、“奥に溜まった疲れ”を整えるツボというのが特徴です。
また、古くから「消渇(しょうかつ:激しい喉の渇きや糖尿病のような症状)」や、内臓の冷えからくるお腹のトラブルを改善するための重要なポイントとして活用されてきました。
中膂兪の探し方
中膂兪は、お尻の平らな骨(仙骨)の下部、中心から指2本分外側にあります。
- まず、お尻の中央にある平らな骨「仙骨」を確認します。
- 前回の膀胱兪から、さらに指の幅1本分ほど下へたどります。
- 第3仙椎(仙骨の3番目の突起)の高さにある、骨のくぼみ(第3後仙骨孔)を探します。
- そこから真横(外側)へ指の幅2本分(約1.5寸)進んだ場所が中膂兪です。
- お尻の「割れ目」が始まる高さの少し上、仙骨のキワあたりに位置します。
*押すと「ズーン」と響くような感覚があれば、正しい位置です。
中膂兪はこんなお悩みに
中膂兪をいたわることで、以下のような状態のケアに役立ちます。
- 坐骨神経痛・お尻の痛み: 深部の筋肉(梨状筋など)の緊張を緩和し、足のしびれを和らげます。
- 慢性腰痛: 腰の土台となる仙骨周りの強張りを解き、動きをスムーズにします。
- 激しい喉の渇き(消渇): 体内の熱を鎮め、口の渇きや頻尿などの全身症状をサポートします。
- 下痢・腹痛: 腸の冷えや機能低下を整え、お腹の調子を安定させます。
- 生殖器の不調: 骨盤内の血行を促し、男性の精力減退や女性の婦人科トラブルをケアします。
特に、「マッサージしてもすぐ戻る腰の疲れ」に対しては、とても相性の良いツボです。
中膂兪のセルフケア方法
骨盤の深い部分に響かせる必要があるため、“じっくりと圧を沈め、深部を温める”のがコツです
おすすめのケア方法は次のとおりです。
- 火を使うお灸
- 火を使わないお灸
- パイオネックス(置き鍼)
- ツボ押し
(注意点)
- 火を使うお灸:「慢性の冷えによる下痢や、足腰に力が入らない時」に非常に有効です。お尻の骨の上は比較的火傷しにくい場所ですが、心地よい熱さを感じる程度に留めましょう
- 火を使わないお灸:お尻が冷えて固まっている時や、生理前に腰の奥が重だるい時に最適です。ここに「太陽」を貼って温めることで、骨盤内の血流が改善され、下半身全体が軽くなるのを感じられます(3時間以上は貼らないこと)
- パイオネックス(置き鍼):お尻の筋肉は厚いため、長めのタイプで持続的に刺激を送ることで、慢性的な坐骨神経の違和感や腰痛を優しくケアし続けます(1日以上貼らないこと)
- ツボ押し:仰向けに寝て、ツボの位置にテニスボールを置きます。鼻から吸って、口から吐きながら、お尻の奥のコリを溶かすようなイメージで3〜5秒体重をかけます。この時、膝を立てた状態で足を外側へゆっくり倒すと、深部の筋肉まで刺激が届きやすくなります
*仙骨付近は神経が密集しています。尖ったもので強く叩いたり、無理な強圧をかけたりしないよう注意してください
セルフケアで変化が感じられない時は
中膂兪は、腰の深部や骨盤バランスに関わるツボのため、原因が別の部位にある(股関節・腹部など)、姿勢や生活習慣の影響が大きい、といったケースも少なくありません。
また、お尻から足にかけてのしびれが非常に強く、排便や排尿のコントロールが難しくなった場合は、すぐに整形外科を受診してください。
自分でケアしても喉の渇きや足のしびれが改善しない、と感じる時は、無理をせず内科や整形外科、鍼灸師に相談しましょう。
鍼灸の施術では、手や足、首や肩甲骨周りなどのツボを使用し、全身調整を行います。
それによって、中膂兪の持つ「深部を支える力」が最大限に引き出されるでしょう。




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