目が疲れと頭の重さが重なった時に
頭臨泣とは?
【頭臨泣(あたまりんきゅう)】は、足の少陽胆経に属するツボで、胆経の第15穴にあたります。胆経は、目の働き、頭部の巡り、精神的なバランス、判断力や集中力などと関係が深い経絡とされています。
- 頭臨泣の「頭」は、部を指します
- 頭臨泣の「臨」は、のぞむ、直面する、あるいはコントロールするという意味を指します
- 頭臨泣の「泣」は、涙を意味します
足の裏にある「足臨泣(あしりんきゅう)」に対して頭部にあるため「頭」がつけられており、「頭部に位置し、目の涙の分泌や、涙が出るほどの激しい目の疲れ・痛みを正常に整える場所」という意味から名付けられました。
その頭臨泣は、額の生え際付近に位置し、頭部の巡りを整える、目の疲れを和らげる、頭をすっきりさせるといった働きがあると考えられています。
そのため、眼精疲労、頭重感、集中力の低下、前頭部の不快感、考えすぎによる疲労感などに用いられることがあります。
東洋医学では、胆経と奇経八脈の陽維脈が交わる重要なツボのひとつとしても知られています。
頭臨泣の探し方
頭臨泣は、おでこの生え際のライン上で、黒目の中心(瞳孔)から真上に上がったところにあります。
- 鏡を見てまっすぐ前(正面)を向きます。
- 黒目の中心(瞳孔)を通る垂直なラインを、そのままおでこに向かって真上にたどっていきます。
- そのラインが、髪の毛の「生え際(前髪のキワ)」と交わるところ(生え際から約0.5寸入ったところ)が頭臨泣です。
*前回のツボ陽白から、まっすぐ真上に上がった生え際のキワに位置します。軽く押して心地よい場所が目安です。
頭臨泣はこんなお悩みに
頭臨泣は、次のようなお悩みに用いられることがあります。
- 眼精疲労・涙目・ドライアイ: 涙の分泌をコントロールし、目が乾いてショボショボする症状や、疲れによる涙目を緩和します。
- 前頭部痛・おでこの頭痛: おでこの奥や目の上がズキズキと締め付けられるような頭痛を和らげます。
- 鼻づまり・慢性副鼻腔炎: 鼻の通りを良くすることで、鼻づまりや、それに伴う頭のモヤモヤ感をスッキリさせます。
- めまい・ふらつき: 頭部に昇った過剰な気を下ろし、自律神経の乱れによるふらつきを落ち着かせます。
- 脳の疲労・集中力低下: 頭の巡りを整えることで思考をクリアにし、仕事や勉強の集中力を高めます。
そのほか、目の奥の重だるさ、頭重感、考えすぎによる疲労感、ストレスによる緊張、パソコンやスマートフォンによる疲れなどにも使用されることがあります。
特に、「目を使うと頭が重くなる」「集中力が続かない」「頭の中がモヤモヤしてすっきりしない」という場合に活用されることがあります。
*急激な頭痛や視力異常がある場合は、医療機関を受診してください。
頭臨泣のセルフケア方法
「目や鼻の神経と深く連動するデリケートな生え際の位置」なので、“指の腹で心地よい圧をじわーっと届ける”のがポイントです
おすすめのケア方法は次のとおりです。
- 火を使わないお灸
- パイオネックス(置き鍼)
- ツボ押し
(注意点)
- 火を使うお灸:頭臨泣は髪の生え際に位置するため、火を使うお灸は、髪の毛への引火や顔・頭皮の火傷の危険が非常に高いため絶対に控えてください
- 火を使わないお灸:一日中画面を見続けて頭がぼーっとする方や、目が疲れ切っている方に最適です。ここに「太陽」を貼ることで、前頭部の生え際が持続的に心地よく温まり、自然と頭の強張りが解き放たれるようになります(3時間以上は貼らないこと)
- パイオネックス(置き鍼):おでこの生え際付近は刺激に敏感なため、一番短いタイプから試しましょう。小さな刺激が、目元の引きつりや、おでこの重苦しさを未然に防いでくれます(1日以上貼らないこと)
- ツボ押し:人差し指か中指の腹をツボに当てます。頭の中心に向かって押し込みます。爪を立てず、頭皮を後ろに軽く引き上げるように持続して圧をかけると、おでこから目元にかけての緊張が自然と緩んでいきます
*前頭部は皮膚が薄くデリケートなため、ツボ押しで強い痛みを感じる場合は、皮膚のトラブルや頭痛の悪化を防ぐためすぐに中止してください
セルフケアで変化が感じられない時は
目の疲れや頭重感には、長時間のパソコン作業、スマートフォンの使用、睡眠不足、ストレス、首肩こりなど、さまざまな要因が関係しています。
また、突然の経験したことのないような激しい頭痛、視野が狭くなる・物が二重に見える、激しいめまいで真っ直ぐ歩けない、あるいは激しい吐き気を伴う場合は、重大な脳神経疾患や眼科疾患の可能性があるため、速やかに医療機関(脳神経外科や眼科など)を受診してください。
セルフケアを続けても頭の重さや目のチカチカ感が晴れない、という時は、無理をせず医師や鍼灸師に相談しましょう。
そのほか、定期的に目を休ませる、十分な睡眠をとる、首肩のストレッチを行う、適度に気分転換するといった生活習慣の見直しも大切です。
鍼灸の施術では、手足や首・肩・肩甲骨、腰・骨盤などのツボを使用し、全身調整を行います。
それによって、頭臨泣の持つ「目と頭の通りを良くし、視界をスッキリさせる力」が最大限に引き出されるでしょう。




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