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胆に属するツボ「五枢」

股関節の張り感や下腹部の冷えを感じる時に

五枢とは?


【五枢(ごすう)】は、足の少陽胆経に属するツボで、胆経の第27穴にあたります。胆経は、身体の側面の巡り、筋肉や関節の動き、精神的なバランス、ストレスへの対応などと関係が深い経絡です。

  • 五枢の「五」は、東洋医学における五行(木・火・土・金・水)や、身体の中心(五方の中央)を意味します
  • 五枢の「枢」は、物事の最も重要な中心軸、あるいは扉を開閉する回転軸を指します

すなわち、身体の中心近くに位置し、五臓六腑や下半身のバランスを整えるための最も重要な開閉の軸となる場所、という意味から名付けられました。

 

その五枢は、下腹部の側面に位置し、股関節まわりの巡りを整える、骨盤周囲の緊張を和らげる、下半身の動きをサポートするといった働きがあると考えられています。

 

そのため、鼠径部の張り、股関節の動かしにくさ、下腹部の重だるさ、歩行後の疲労感、腰から足にかけての重だるさなどに用いられることがあります。

 

五枢の探し方


五枢

五枢は、骨盤の前のいちばん出っ張っている骨(上前腸骨棘)の内側で、おへそから指の幅4本分(3寸)下がった水平ライン上にあります。

  1. 仰向けに寝るか鏡の前に立ち、お腹の斜め下にある、ベルトが引っかかる骨の出っ張り(上前腸骨棘)を両手で確認します。
  2. 次に、おへその位置を確認し、そこから真下に向かって自分の指の幅4本分(3寸)下がった高さをイメージします。
  3. そのおへそから指4本分下がった水平なラインと、先ほどの骨の出っ張りの「すぐ内側のへこみ」が交わるところが五枢です。

帯脈から、骨盤の骨のふちに沿って、斜め前下方へ指の幅約2本分ほど進んだ位置にあります。押すと、足の付け根やお腹の奥に向かってズーンと響く感覚がある場所です。深く押しすぎないようにしましょう。

五枢はこんなお悩みに


五枢は、次のようなお悩みに用いられることがあります。

  • 股関節の痛み・足の付け根の引きつり: 股関節を動かす重要な筋肉の強張りをほぐし、歩行や階段の昇り降りを楽にします。
  • 生理痛・下腹部の冷え・詰まり: 骨盤内の血液循環を促進し、子宮まわりの冷えや女性特有の重だるい痛みを和らげます。
  • 便秘・下腹部のガス張り: 大腸や骨盤まわりの神経を刺激し、ポッコリとしたお腹の張りや詰まり感をスッキリ流します。
  • 慢性的な腰痛・骨盤のゆがみ: 体幹を支える前後の筋肉のバランスを整え、腰にかかる負担を軽減します。
  • 下肢の冷え・むくみ: 足元へと繋がる太い血管やリンパの滞りを解き、下半身の巡りをスムーズにします。

そのほか、鼠径部の張り感、歩行による疲労感、腰から足にかけての重だるさ、長時間の立ち仕事による疲れ、骨盤周囲の違和感、身体の側面のこわばりなどにも使用されることがあります。

 

特に、「足の付け根が張って歩きにくい」「長く立っていると股関節が疲れる」「下腹部から足の付け根に違和感がある」という場合に活用されることがあります。

 

*強い腹痛や股関節痛、歩行困難がある場合は医療機関を受診してください。

 

五枢のセルフケア方法


「骨盤の骨のキワにあり、大切なインナーマッスルや内臓に近い場所」なので、“じわーっと優しい圧を届ける”のがポイントです

 

おすすめのケア方法は次のとおりです。

  • 火を使うお灸
  • 火を使わないお灸
  • パイオネックス(置き鍼)
  • ツボ押し

 

(注意点)

  • 火を使うお灸:心地よい温熱が骨盤の奥までじんわりと染み込み、冷えてカチカチになったインナーマッスルやお腹まわりを柔らかくほぐしてくれます。ただし、下腹部の皮膚は比較的薄いので火傷には十分注意してください
  • 火を使わないお灸:股関節がいつも硬く突っ張る方や、冷えで下腹部が硬くなっている方に最適です。ここに「太陽」を貼ることで、骨盤の前側を持続的に温めることができ、仕事中や歩行中にお腹まわりの緊張が和らぐようになります3時間以上は貼らないこと)
  • パイオネックス(置き鍼):股関節まわりは足を動かす際に下着ですれやすいため、端までしっかり密着させましょう。小さな刺激が、長時間の座りっぱなしによる股関節の詰まりや、夕方に起こる足腰の重だるさを未然に防いでくれます(1日以上貼らないこと)
  • ツボ押し:両手の親指(または人差し指と中指)の腹を左右のツボに当てます。骨盤の骨の内側のくぼみに向かって、斜め下(背中側)へ優しく押し込みます。動作を数回繰り返すと、股関節の緊張が自然と緩んでいきます

*五枢は骨盤や子宮の巡りに強く影響を与えるため、妊娠中の方はツボ押しやお灸などのセルフケアは絶対に避け、触れる程度にとどめてください。熱すぎたり痛みを感じたりした場合はすぐに中止しましょう

セルフケアで変化が感じられない時は


股関節や鼠径部の張り感には、運動不足、長時間の同じ姿勢、筋肉の疲労、冷え、ストレスなど、さまざまな要因が関係しています。

また、突然の経験したことのないような下腹部への激しい痛み、歩けないほどの股関節の激痛やクリック音、不正出血がある、あるいは高熱を伴う場合は、重大な婦人科疾患や整形外科的疾患、急性腹症などの可能性があるため、速やかに医療機関(整形外科や婦人科、内科など)を受診してください。

 

セルフケアを続けても股関節の突っ張りや下腹部の張りが一向に晴れない、という時は、無理をせず医師や鍼灸師に相談しましょう。

そのほか、股関節を軽く動かす、長時間同じ姿勢を避ける、身体を冷やさないようにする、適度な運動を習慣にするといった生活習慣の見直しも大切です。

 

鍼灸の施術では、手足や首・肩・肩甲骨、腰・骨盤などのツボを使用し、全身調整を行います。

それによって、五枢の持つ「骨盤まわりのインナーマッスルを根本から緩め、下半身の軸をなめらかに整える力」が最大限に引き出されるでしょう。


横須賀市の鍼灸院 山本鍼灸院

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