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胆に属するツボ「環跳」

お尻から太もものしびれやしつこい腰痛に

環跳とは?


【環跳(かんちょう)】は、足の少陽胆経に属するツボで、胆経の第30穴にあたります。胆経は、身体の側面の巡り、筋肉や関節の動き、精神的なバランス、ストレスへの対応などと関係が深い経絡です。

  • 環跳の「環」は、環(わ)のように丸く曲げる、あるいは股関節の骨(大転子)が丸く収まる部分を指します
  • 環跳の「跳」は、跳躍する、足を力強く蹴り出す動きを意味します

すなわち、股関節を丸く曲げたときに現れるくぼみにあり、ここをケアすることで再び力強く跳び跳ねることができるようになる場所、という意味から命名されました。

 

その環跳は、お尻の外側に位置し、腰から下半身への巡りを整える、お尻や股関節周囲の緊張を和らげる、足の動きをサポートするといった働きがあると考えられています。

 

そのため、お尻の痛み、腰から脚にかけての重だるさ、足のしびれ感、股関節の動かしにくさ、長時間の座位による疲労などに用いられることがあります。

 

特に、坐骨神経痛のケアでよく知られているツボです。

 

環跳の探し方


環跳

環跳は、お尻の外側、太ももの付け根にある大きくて硬い骨の出っ張り(大転子)と、お尻の割れ目のいちばん上(仙骨裂孔)を結んだ直線を3等分し、外側から3分の1(大転子寄り)のところにあります。

  1. 横向きに寝て、上になる方の股関節と膝を軽く曲げます(この姿勢をとると、お尻の筋肉が緩んでツボが探しやすくなります)。
  2. 太ももの外側の付け根あたりを触り、骨がゴツゴツと大きく出っ張っている部分(大転子)を確認します。
  3. 次に、お尻の割れ目のスタート地点(いちばん上のキワ)を確認します。
  4. その「大転子の出っ張り」と「お尻の割れ目の上端」を直線で結び、そのラインを3等分したとき、大転子から数えて1つ目の区切り(外側から3分の1のへこみ)が環跳です。

*指の腹や拳の関節でグッと押し込むと、お尻の奥深くにズーンと響く場所が目安です。筋肉が厚い部位ですが、無理に強く押さないようにしましょう。

環跳はこんなお悩みに


環跳は、次のようなお悩みに用いられることがあります。

  • 坐骨神経痛・足のしびれ: お尻の奥で神経を圧迫している筋肉を緩め、太ももやふくらはぎ、足先へと走る鋭い痛みやしびれを和らげます。
  • 慢性的な腰痛・ぎっくり腰: 骨盤や腰椎を支えるお尻の土台を柔らかくほぐし、前屈や寝返り、立ち上がりの動作を楽にします。
  • 股関節の痛み・変形性股関節症: 股関節周辺の血流を促進して可動域を広げ、歩行時の引っかかりや痛みを軽減します。
  • 下半身の冷え・お尻の冷たさ: 臀部の大きな筋肉の血流を改善し、触るとヒヤッとするお尻や、足元の慢性的な冷えを解消します。
  • 足の疲労・むくみ: 長時間の立ち仕事やスポーツによる下半身のうっ血を解消し、だるい足をスッキリ軽快にさせます。

そのほか、お尻の痛み、腰から脚にかけての重だるさ、太ももの外側の張り、股関節の動かしにくさ、長時間座った後の違和感、歩行時の疲労感、スポーツ後の筋肉の疲れなどにも使用されることがあります。

 

特に、「お尻から太ももにかけて違和感がある」「座りっぱなしで腰や脚がつらい」「歩くとお尻の奥が痛む」という場合に活用されることがあります。

 

*強いしびれや筋力低下、排尿・排便障害を伴う場合は、速やかに医療機関を受診してください。

 

環跳のセルフケア方法


「お尻の肉が一番厚く、非常に深い場所に原因があるツボ」なので、“自重を利用したり、温熱を奥深くまでじっくり浸透させたりする”のがポイントです

 

おすすめのケア方法は次のとおりです。

  • 火を使わないお灸
  • パイオネックス(置き鍼)
  • ツボ押し

 

(注意点)

  • 火を使うお灸:環跳はお尻のやや後ろ側にあり、自分でお灸を据える際に火が直接見えにくく、衣服への引火や火傷のリスクが高いため、火を使うお灸のセルフケアは絶対に控えてください。
  • 火を使わないお灸:冷えでお尻が硬くなっている方に最適です。ここに「太陽」を貼ることで、お尻の深部を持続的に温めることができ、仕事や家事をしながら効率よくお尻まわりを緩めることができます3時間以上は貼らないこと)
  • パイオネックス(置き鍼):お尻の筋肉は非常に厚みがあるため、鍼が長めのタイプが特に効果を発揮します。衣服ですれて剥がれないよう、しっかりと密着させましょう(1日以上貼らないこと)
  • ツボ押し:お尻の筋肉が厚いため、自分の指だけで押すのは大変です。仰向けに寝て、環跳の位置にテニスボール等を挟み込みます。そのまま自分の身体の重み(自重)を利用して、心地よい強さでボールを押し当てます。圧をかけながら少しずつ位置を微調整すると、お尻の奥のコリがほぐれていきます

*テニスボールなどを使ったツボ押しは心地よさを感じやすいですが、気持ちいいからと何十分も強い刺激を与え続けると、翌日にもみ返しが来たり神経を痛めたりすることがあります。数分程度にとどめ、熱すぎたり痛みを感じたりした場合はすぐに中止しましょう

セルフケアで変化が感じられない時は


お尻や脚の不調には、長時間の座位、筋肉の疲労、姿勢の乱れ、運動不足、冷えなど、さまざまな要因が関係しています。

また、腰・お尻の激痛や両足のしびれ、脱力、排泄障害がある場合は、馬尾症候群の疑いや、重度のヘルニアの可能性があるため速やかに整形外科等を受診してください。

 

セルフケアを続けてもお尻の奥の重だるさや足のしびれが一向に晴れない、という時は、無理をせず医師や鍼灸師に相談しましょう。

そのほか、長時間座り続けない、軽いストレッチを行う、ウォーキングなどで身体を動かす、下半身を冷やさないようにするといった生活習慣の見直しも大切です。

 

鍼灸の施術では、手足や首・肩・肩甲骨、腰・骨盤などのツボを使用し、全身調整を行います。

それによって、環跳の持つ「下半身の神経と筋肉の緊張を根本から解放し、足腰を劇的に軽くする力」が最大限に引き出されるでしょう。


横須賀市の鍼灸院 山本鍼灸院

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