目のかすみや眼精疲労、夕方の足の重だるさに
光明とは?
【光明(こうめい)】は、足の少陽胆経に属するツボで、胆経の第37穴にあたります。胆経は、身体の側面の巡り、筋肉や関節の動き、目の働き、全身のバランスなどと関係が深い経絡です。
- 光明の「光」は、光線や視界を意味します
- 光明の「明」は、明るい、あるいははっきりと見える状態を指します
すなわち、このツボを刺激することで、暗くかすんでいた視界に光が差し込むように、パッと目の前が明るく明らかになる場所、という意味から命名されました。
その光明は、下腿の外側に位置し、目の疲れを和らげる、全身の巡りを整える、脚の筋肉の緊張を和らげるといった働きがあると考えられています。
そのため、目の疲れ、かすみ目、長時間のデスクワークによる疲労、脚の重だるさ、歩行による疲れなどに用いられることがあります。
また、胆経の絡穴として知られています。
絡穴とは、表裏関係にある「足の厥陰肝経(けついんかんけい)」へと繋がるバイパス(連絡路)のことです。東洋医学において「肝は目に開竅する(目は肝の窓である)」と言われ、目のトラブルは肝の血流不足や自律神経の乱れと直結しています。光明は、胆経と肝経の2つのルートを同時に動かすことができるため、足のツボでありながら「目の疲れ・かすみ・痛み」に対して圧倒的な効果を発揮する、鍼灸臨床に欠かせないツボです。
光明の探し方
光明は、すねの外側、外くるぶしの中心から膝に向かって真上に自分の指の幅7本分(5寸)上がったところ、腓骨という骨の前側のふちにあります。
- 椅子に座ってリラックスし、足の外側(くるぶし側)を確認します。
- 外くるぶしのいちばん高いでっぱり(外踝尖)に小指のふちを当て、そこから膝に向かって真上に指の幅4本分(3寸)上がった場所(懸鐘というツボのあたり)を確認します。
- そこからさらに真上へ、自分の指の幅3本分(2寸)上がった場所が、外くるぶしから計「5寸」の高さになります。
- すねの外側にある細長い骨(腓骨)の前側のキワを指の腹で触ると、スッと収まる小さなくぼみがあります。ここが光明です。
*外丘からは、指の幅3本分ほど足首側に下がった筋肉と骨の境目あたりが目安です。押すと心地よい響きを感じることがあります。
光明はこんなお悩みに
光明は、次のようなお悩みに用いられることがあります。
- 眼精疲労・目のかすみ・ぼやけ: パソコンやスマートフォンの画面を長時間見続けたことによる、目のピント調節や疲れを和らげます。
- ドライアイ・目の痛み: 目を潤す血液(肝血)の巡りをサポートし、目の乾きやショボショボする不快感をケアします。
- すねの外側の重だるさ・疲労感: 立ち仕事や歩きすぎによって、脚の外側がパンパンに張って重くなっている状態を緩めます。
- 偏頭痛・目の奥の頭痛: 目の疲れからくる側頭部のズキズキとした痛みや、目の奥が重い症状を遠隔から鎮めます。
- イライラ・気分の落ち込み: 自律神経を主る「肝」の働きを助け、ストレスによるイライラやブルーな気持ちを落ち着かせます。
そのほか、頭が重い感じ、脚の重だるさなどにも使用されることがあります。
特に、「目を使う仕事が多い」「夕方になると目が疲れる」「目の疲れと一緒に全身も疲れる」という場合に活用されることがあります。
*急激な視力低下や目の強い痛み、見え方の異常がある場合は、早めに眼科を受診してください。
光明のセルフケア方法
「足元にありながら頭や目と深く繋がっている繊細なツボ」なので、“じんわりと深部へ刺激を浸透させる”のがポイントです
おすすめのケア方法は次のとおりです。
- 火を使うお灸
- 火を使わないお灸
- パイオネックス(置き鍼)
- ツボ押し
(注意点)
- 火を使うお灸:心地よい温熱がすねの骨のキワから染み込み、下半身の冷えを解消するとともに、頭に上った余分な熱(目の充血やのぼせ)を足元へと引き下げてくれます
- 火を使わないお灸:日中にパソコン作業が多く、目がかすんで足もむくんでくる方に最適です。ここに「太陽」を貼ることで、ツボを持続的に温めることができ、目の疲れと下半身のだるさを同時に予防・ケアできます(3時間以上は貼らないこと)
- パイオネックス(置き鍼):慢性的な眼精疲労や、スマホ・PCを酷使する環境にある方は、ここに貼っておくことで、日中の目のピント調節機能を小さな持続的な刺激が優しくサポートしてくれます(1日以上貼らないこと)
- ツボ押し:両手の親指を重ねて光明に当て、腓骨の前側のふちに向かって押し込みます。これを繰り返すと、ツボ押しをしている最中から目がスッキリしてくるのを感じられます
*光明の周辺は皮膚が比較的薄く、骨のキワのため、強い刺激を加えると、皮下出血やもみ返しの原因になります。「痛気持ちいい」と感じる優しい刺激を意識し、熱すぎたり痛みを感じたりした場合はすぐに中止しましょう
セルフケアで変化が感じられない時は
目の疲れやかすみは、長時間の画面作業、睡眠不足、ドライアイ、ストレス、目の使いすぎなど、さまざまな要因が関係しています。
また、突然の視力低下や視野欠損、激しい眼痛・頭痛、歩行困難がある場合は、重大な眼・脳疾患の恐れがあるため、直ちに専門医を受診してください。
セルフケアを続けても目のかすみや頭の重さ、すねの張りが一向に晴れない、という時は、無理をせず医師や鍼灸師に相談しましょう。
そのほか、1時間に1回は目を休ませる、遠くを見る時間をつくる、十分な睡眠をとる、首や肩を軽く動かすといった生活習慣の見直しも大切です。
鍼灸の施術では、手足や首・肩・肩甲骨、腰・骨盤などのツボを使用し、全身調整を行います。
それによって、光明の持つ「絡穴としての力を引き出し、目と足の疲れを根本からクリアにする力」が最大限に引き出されるでしょう。




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