頭や目や耳の不調と月経トラブルに
足臨泣とは?
【足臨泣(あしりんきゅう)】は、足の少陽胆経に属するツボで、胆経の第41穴にあたります。胆経は、身体の側面の巡り、筋肉や関節の動き、目や頭の働き、全身のバランスなどと関係が深い経絡です。
- 足臨泣の「足」は、足そのものを意味します
- 足臨泣の「臨」は、上から下を臨む(見下ろす)という意味を持ちます
- 足臨泣の「泣」は、涙を流す、あるいは涙そのものを指します
頭部にはこれと対になる「頭臨泣」というツボがあり、足臨泣は「足元にありながら頭部にある目の疾患を制御し、涙を止める(あるいは流す)ことができる場所」という意味から名付けられました。
その足臨泣は、足の甲に位置し、頭や目の緊張を和らげる、肩や首の巡りを整える、足の動きをスムーズにするといった働きがあると考えられています。
そのため、目の疲れ、頭痛、肩こり、足の疲れ、足の甲の張りなどに用いられることがあります。
またこのツボは、足の少陽胆経の兪穴(気の巡りを良くする)であり、帯脈(体幹を帯のように巻く特別なルートに繋がる)の八脈交会穴としても知られています。このルートは骨盤まわりや婦人科系と深く関わっているため、月経不順やPMSの改善に最適です。
すなわち、女性特有のお悩みから、頭痛や目の不調まで丸ごとカバーします。
足臨泣の探し方
足臨泣は、足の甲、足の薬指(第4指)と小指(第5指)の骨が交わる手前の大きなくぼみの中、細い腱の外側にあります。
- 床に座ってリラックスし、足の薬指と小指の間のまた(指の付け根)に人差し指の腹を当てます。
- そこから足首(甲の奥)に向かって、骨と骨の間をなぞるように指を滑らせていきます。
- すると、薬指の骨(第4中足骨)と小指の骨(第5中足骨)が合流して、V字型に交わる手前で指が止まる、スッポリとした深いくぼみがあります。
- そのくぼみの中で、小指を上にあげたときに浮き出る細い腱(長指伸筋腱の第4枝)の外側(小指側)のキワが足臨泣です。
*足の甲の外側にある、少しくぼんだ部分が目安です。押すと響くような心地よい刺激を感じることがあります。
足臨泣はこんなお悩みに
足臨泣は、次のようなお悩みに用いられることがあります。
- 偏頭痛・頭の側面のズキズキ: 気圧の変化やストレス、ホルモンバランスの乱れに伴って起こる偏頭痛を遠隔から鎮めます。
- めまい・耳鳴り・突発的な難聴: 耳のまわりの滞りをスムーズにし、フワフワ・グルグルするめまいや耳の詰まり感を緩和します。
- 眼精疲労・涙目・目の充血: 目の乾燥や逆に涙が止まらない症状、パソコンの画面の見すぎによる目の奥の痛みをすっきりと散らします。
- 生理痛・PMS(月経前症候群): 骨盤内を束ねる「帯脈」の働きを整え、生理前のイライラ、胸の張り、下腹部の重だるさを和らげます。
- 足の甲の痛み・脇腹の突っ張り: 靴による圧迫や歩きすぎで生じた足の甲の慢性的な痛みを和らげ、身体の側面を走る筋肉を緩めます。
そのほか、肩こり、首のこり、足の疲れ、足の甲の張りなどにも使用されることがあります。
特に、「目を酷使すると頭まで重くなる」「肩や首がこりやすい」「全身がすっきりしない」という場合に活用されることがあります。
*突然の激しい頭痛や視力の異常、強い痛みがある場合は、医療機関を受診してください。
足臨泣のセルフケア方法
「骨と骨の隙間にあるツボ」なので、“細い隙間の奥へじんわりと圧を浸透させる、または優しい温熱で巡らせる”のがポイントです
おすすめのケア方法は次のとおりです。
- 火を使うお灸
- 火を使わないお灸
- パイオネックス(置き鍼)
- ツボ押し
(注意点)
- 火を使うお灸:じんわりとした温熱を届けることで、骨の隙間に詰まった瘀血がほぐれ、頭に上った血を足元へと引き下げてくれます。熱さを感じやすい場所でもあるため、「ほんのり温かい」と感じる程度で十分な効果が得られます
- 火を使わないお灸:低気圧が近づくと頭痛がしてくる方や、生理前にイライラして胸が張る方に最適です。ここに「太陽」を貼ることで、足の甲を持続的に温めることができ、日中の自律神経の乱れや頭痛の波をやさしく未然に防いでくれます(3時間以上は貼らないこと)
- パイオネックス(置き鍼):偏頭痛が起こりそうな予感がするときや、生理周期の乱れが気になるときに貼っておくことで、小さな持続的刺激が体調のコントロールをサポートしてくれます(1日以上貼らないこと)
- ツボ押し:親指または人差し指を足臨泣のくぼみに当て、小指の骨のふちの奥へ向かって心地よい強さで圧をかけます。この動作を繰り返すと、ツボ押しをしている最中から頭がクリアになり、目の前が明るくなっていくのを感じられます
*足臨泣の周辺は皮膚が薄く、すぐ下に細い骨や神経、腱が密集しています。そのため「心地よい響き」を感じる範囲にとどめ、熱すぎたり痛みを感じたりした場合はすぐに中止しましょう
セルフケアで変化が感じられない時は
目の疲れや肩こり、頭の重だるさは、長時間のデスクワークスマートフォンの使いすぎ、姿勢の乱れ、睡眠不足、ストレスなど、さまざまな要因が関係しています。
また、突然の激しい頭痛や吐き気、片方の手足のしびれ・脱力、言葉の出にくさがある場合や、足の甲が赤く腫れて歩けない時は、脳血管障害や重篤な感染症の恐れがあるため、直ちに専門の医療機関を受診してください。
セルフケアを続けても偏頭痛やめまい、生理時の不調が一向に晴れない、という時は、無理をせず医師や鍼灸師に相談しましょう。
そのほか、1時間に1回は目を休める、首や肩のストレッチを行う、適度な運動を取り入れる、十分な睡眠をとるといった生活習慣の見直しも大切です。
鍼灸の施術では、手足や首・肩・肩甲骨、腰・骨盤などのツボを使用し、全身調整を行います。
それによって、足臨泣の持つ「上半身の高ぶりを鎮め、全身のホルモンと気血を調和させる力」が最大限に引き出されるでしょう。




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