頭の横側が締め付けられる頭痛が気になる時に
懸顱とは?
【懸顱(けんろ)】は、足の少陽胆経に属するツボで、胆経の第5穴にあたります。胆経は、頭部や側頭部の巡り、目や耳の働き、自律神経のバランス、ストレスへの対応などと関係が深い経絡とされています。
- 懸顱の「懸」は、ぶら下がる、あるいはかけるという意味を指します
- 懸顱の「顱」は、頭や頭蓋骨、特に「おでこからこめかみにかけての部位」を意味します
すなわち、頭の側面に位置し、頭部全体の緊張をぶら下げるようにコントロールする場所、という意味から命名されました。
懸顱は側頭部のやや上方に位置し、頭部の巡りを整える、目の疲れによる緊張を和らげる、側頭部の張り感を軽減するといった働きがあると考えられています。
そのため、こめかみ周辺の頭痛、片側に出やすい頭の重だるさ、眼精疲労、ストレスによる緊張感などに用いられることがあります。
特に現代では、パソコンやスマートフォンによる目の酷使が増えているため、セルフケアとして活用されることもあります。
懸顱の探し方
懸顱はこんなお悩みに
懸顱は、次のようなお悩みに用いられることがあります。
- 緊張型頭痛・片頭痛: 頭の横側が締め付けられるような痛みや、ズキズキする痛みを和らげます。
- 目の充血・眼精疲労: 頭部の熱を逃がすことで、目の赤みや、奥に感じる重だるさをスッキリさせます。
- 顔のむくみ・強張り: 側頭部の血流が促されることで、顔全体の代謝が上がり、表情を軽やかにします。
- 歯痛・食いしばり: 顎からこめかみへ繋がる筋肉の引きつりを緩め、歯や顎の痛みを緩和します。
- のぼせ・イライラ: 上に昇った気を下ろし、頭の熱っぽさや気分の昂ぶりを落ち着かせます。
そのほか、ストレスによる頭の緊張、頭重感、肩こりに伴う不快感、長時間のデスクワークによる疲労感などにも使用されることがあります。
特に、「目を使うとこめかみが痛くなる」「ストレスがたまると頭が重くなる」という方に活用されることがあります。
*強い頭痛や突然の症状がある場合は、医療機関を受診してください。
懸顱のセルフケア方法
「頭の横側の太い血管や筋肉が通る場所」なので、“強い力でゴリゴリ揉まず、指の腹でじっくりと圧を浸透させる”のがポイントです
おすすめのケア方法は次のとおりです。
- 火を使わないお灸
- パイオネックス(置き鍼)
- ツボ押し
(注意点)
- 火を使うお灸:懸顱は完全に髪の生え際の中に位置するため、火を使うお灸は、髪の毛への引火や火傷の危険が非常に高いため絶対に控えてください
- 火を使わないお灸:慢性的に頭が重だるい方や、目が疲れやすい方に最適です。ここに「太陽」を貼ることで、側頭部が持続的に心地よく温まり、仕事中でも自然と頭の緊張が解き放たれるようになります(3時間以上は貼らないこと)
- パイオネックス(置き鍼):髪の生え際付近はデリケートなため、一番短いタイプから試しましょう。小さな刺激が、日中のストレスによる食いしばりや、夕方にかけて起こる頭の重苦しさを未然に防いでくれます(1日以上貼らないこと)
- ツボ押し:人差し指と中指(または親指)の腹をツボに当て、頭の中心に向かってじんわりと優しく押し込みます。そのまま小さな円を描くように頭皮を優しくもみほぐすと、頭全体の強張りが自然と緩んでいきます
*側頭部は血管が豊富に通っているため、ツボ押しで強い痛みを感じる場合は、皮膚のトラブルや頭痛の悪化を防ぐためすぐに中止してください
セルフケアで変化が感じられない時は
頭痛や頭重感には、眼精疲労、ストレス、睡眠不足、首や肩のこり、姿勢の乱れなど、さまざまな要因が関係しています。
また、突然の経験したことのないような激しい頭痛、目の前が暗くなる・視野が欠ける、手足に力が入らない、あるいは激しい吐き気を伴う場合は、重大な脳神経疾患の可能性があるため、速やかに医療機関(脳神経外科や脳神経内科など)を受診してください。
セルフケアを続けても頭の重さや目の充血が晴れない、という時は、無理をせず医師や鍼灸師に相談しましょう。
そのほか、スマートフォンやパソコンの使用時間を調整する、目を定期的に休ませる、十分な睡眠をとる、首や肩のストレッチを行うといった生活習慣の見直しも大切です。
鍼灸の施術では、手足や首・肩・肩甲骨、腰・骨盤などのツボを使用し、全身調整を行います。
それによって、懸顱の持つ「頭部の引きつりを緩め、余分な熱を下ろす力」が最大限に引き出されるでしょう。




コメントをお書きください