こめかみから耳周りのズキズキを鎮めたい時に
懸釐とは?
【懸釐(けんり)】は、足の少陽胆経に属するツボで、胆経の第6穴にあたります。胆経は、頭部や側頭部の巡り、目や耳の働き、首肩のバランス、自律神経の調整などと関係が深い経絡とされています。
- 懸釐の「懸」は、ぶら下がる、あるいはかけるという意味を指します
- 懸釐の「釐」は、正す、整える、または細かく収めるという意味を持っています
すなわち、頭の側面に位置し、頭部や耳まわりの乱れた気の巡りを細かくきれいに整える場所という意味から名付けられました。
懸釐は側頭部のやや後方に位置し、側頭部の巡りを整える、首肩の緊張を和らげる、頭重感を軽減するといった働きがあると考えられています。
そのため、片頭痛、側頭部の張り感、首肩こりに伴う頭痛、ストレスによる緊張などに用いられることがあります。
特に、デスクワークやスマートフォンの使用時間が長い方に活用されることの多いツボです。
懸釐の探し方
懸釐はこんなお悩みに
懸釐は、次のようなお悩みに用いられることがあります。
- 片頭痛・側頭部痛: こめかみや耳の上がズキズキと波打つような痛みを和らげます。
- 耳鳴り・めまい: 耳まわりの経絡の滞りを解消し、不快な音やふらつきを落ち着かせます。
- 眼精疲労: 側頭部の筋肉を緩めることで、連動している目の奥の重だるさをスッキリさせます。
- 顔面神経の引きつり: 顔の側面を走る神経の興奮を鎮め、筋肉のピクピクとした痙攣を緩和します。
- 歯痛・食いしばり: 顎から頭へ繋がる筋肉の強張りをほぐし、歯の浮くような痛みを軽減します。
そのほか、頭重感、首肩こり、ストレスによる緊張、長時間のデスクワークによる疲労感、首から頭にかけての重だるさなどにも使用されることがあります。
特に、「肩こりがひどくなると頭も痛くなる」「頭の横が張るように重い」という場合に活用されることがあります。
*強い頭痛や急激な症状がある場合は、医療機関を受診してください。
懸釐のセルフケア方法
「多くの経絡や神経が交わるデリケートな場所」なので、“強い力で無理にもみほぐさず、優しくじんわりと圧をかける”のがポイントです
おすすめのケア方法は次のとおりです。
- 火を使わないお灸
- パイオネックス(置き鍼)
- ツボ押し
(注意点)
- 火を使うお灸:懸釐は髪の生え際の中に位置するため、火を使うお灸は、髪の毛への引火や火傷の危険が非常に高いため絶対に控えてください
- 火を使わないお灸:慢性的な頭痛持ちの方や、耳まわりが重だるく感じる方に最適です。ここに「太陽」を貼ることで、側頭部が持続的に心地よく温まり、仕事中やリラックスタイムでも自然と頭の緊張が和らぐようになります(3時間以上は貼らないこと)
- パイオネックス(置き鍼):髪の生え際付近は刺激に敏感なため、一番短いタイプから試しましょう。小さな刺激が、日中の無意識な噛み締めや、夕方にかけて起こる頭のズキズキ感を未然に防いでくれます(1日以上貼らないこと)
- ツボ押し:人差し指か中指の腹をツボに当て、頭の中心に向かって心地よい強さで優しく押し込みます。爪を立てず、頭皮を円を描くように優しくもみほぐすと、こめかみ周辺の強張りが自然と緩んでいきます
*側頭部は血管が豊富に通っているため、ツボ押しで強い痛みを感じる場合は、皮膚のトラブルや頭痛の悪化を防ぐためすぐに中止してください
セルフケアで変化が感じられない時は
頭痛や頭重感には、首肩こり、眼精疲労、睡眠不足、ストレス、姿勢不良など、さまざまな要因が関係しています。
また、突然の経験したことのないような激しい頭痛、目の前が暗くなる・視野が欠ける、言葉がうまく出ない、あるいは激しい吐き気を伴う場合は、重大な脳神経疾患の可能性があるため、速やかに医療機関(脳神経外科や脳神経内科など)を受診してください。
セルフケアを続けても頭の片側の重さや耳鳴りが晴れない、という時は、無理をせず医師や鍼灸師に相談しましょう。
そのほか、長時間同じ姿勢を避ける、首肩のストレッチを行う、目を定期的に休ませる、十分な睡眠をとるといった生活習慣の見直しも大切です。
鍼灸の施術では、手足や首・肩・肩甲骨、腰・骨盤などのツボを使用し、全身調整を行います。
それによって、懸釐の持つ「頭部の引きつりを緩め、余分な熱を下ろす力」が最大限に引き出されるでしょう。




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