食いしばりによる頭痛や耳周りの違和感に
曲鬢とは?
【曲鬢(きょくびん)】は、足の少陽胆経に属するツボで、胆経の第7穴にあたります。胆経は、頭部や側頭部の巡り、耳の働き、首肩のバランス、自律神経の調整などと関係が深い経絡とされています。
- 曲鬢の「曲」は、曲がったところや湾曲部を指します
- 曲鬢の「鬢」は、もみあげや髪の左右の側面(耳の上の髪)を意味します
すなわち、もみあげの後ろで、髪の生え際が耳を包むように曲がっている場所にあるツボ、という意味から命名されました。
その曲鬢は、耳の上方に位置し、耳周囲の巡りを整える、側頭部の緊張を和らげる、首肩こりに伴う不快感を軽減するといった働きがあると考えられています。
そのため、耳の違和感、耳鳴り、側頭部の頭痛、首肩こりによる頭重感などに用いられることがあります。
曲鬢の探し方
曲鬢は、耳の上の生え際(もみあげの後縁)と、耳の一番高いところ(耳尖)を水平に結んだ線が交わるところにあります。
- まず、鏡を見て「もみあげの後ろ側の生え際」のラインを確認します。
- 次に、耳を前にパタンと折り曲げたときにできる、耳の一番高いキワ(耳尖)を確認します。
- その耳の高いキワから真横(顔の前方)へ水平に進み、もみあげの後ろ側の生え際と「ちょうどぶつかる場所」が曲鬢です。
*奥歯をグッと噛み締めたときに、ピクピクと動いたりする場所です。また、押して軽い響きを感じることがあります。
曲鬢はこんなお悩みに
曲鬢は、次のようなお悩みに用いられることがあります。
- 食いしばり・顎関節症: 顎の運動に関わる筋肉の緊張を緩め、口を開け閉めするときの痛みや違和感を緩和します。
- 側頭部痛・片頭痛: 耳の上がズキズキと締め付けられるような頭痛や、頭の重さを鎮めます。
- 目の奥の疲れ(眼精疲労): 側頭筋の強張りがほぐれることで、連動している目元の血流もすっきり改善します。
- 耳鳴り・神経痛: 耳のすぐ近くを通る神経や経絡の滞りを解消し、不快な音や引きつりを落ち着かせます。
- 顔のたるみ・リフトアップ: 頭の側面から顔を支える筋肉が引き締まることで、フェイスラインをすっきり整えます。
そのほか、耳の閉塞感、頭重感、首肩こり、ストレスによる緊張、長時間のデスクワークによる疲労感などにも使用されることがあります。
特に、「耳の周囲が重い感じがする」「首や肩のこりと一緒に頭が重くなる」という場合に活用されることがあります。
*急な難聴や強い耳の痛みがある場合は、速やかに医療機関を受診してください。
曲鬢のセルフケア方法
「顎の動きと深く連動する筋肉の上にある場所」なので、“指の重みでじんわりと圧をかける”のがポイントです
おすすめのケア方法は次のとおりです。
- 火を使わないお灸
- パイオネックス(置き鍼)
- ツボ押し
(注意点)
- 火を使うお灸:曲鬢は完全に髪の生え際に位置するため、火を使うお灸は、髪の毛への引火や火傷の危険が非常に高いため絶対に控えてください
- 火を使わないお灸:日中の食いしばり癖がある方に最適です。ここに「太陽」を貼ることで、耳の上が持続的に温まり、仕事中でも自然と頭の緊張が解き放たれるようになります(3時間以上は貼らないこと)
- パイオネックス(置き鍼):髪の毛の生え際付近は刺激に敏感なため、一番短いタイプから試しましょう。小さな刺激が、日中のストレスによる食いしばりや、夕方にかけて起こる頭の重苦しさを未然に防いでくれます(1日以上貼らないこと)
- ツボ押し:人差し指と中指の腹をツボに当て、口を少しだけ開けて力を抜きます。頭の中心に向かって心地よい強さで優しく押し込みます。爪を立てず、頭皮を円を描くように優しくもみほぐすと、顎まわりの強張りが自然と緩んでいきます
*側頭部は血管が豊富に通っているため、ツボ押しで強い痛みを感じる場合は、皮膚のトラブルや頭痛の悪化を防ぐためすぐに中止してください
セルフケアで変化が感じられない時は
耳や頭の不調には、首肩こり、ストレス、睡眠不足、疲労の蓄積、耳の疾患など、さまざまな要因が関係しています。
また、突然の経験したことのないような激しい頭痛、目の前が暗くなる・視野が欠ける、言葉がうまく出ない、あるいは激しい吐き気を伴う場合は、重大な脳神経疾患の可能性があるため、速やかに医療機関(脳神経外科や脳神経内科など)を受診してください。
セルフケアを続けても顎の重だるさや頭の締め付け感が晴れない、という時は、無理をせず医師や鍼灸師に相談しましょう。
そのほか、十分な睡眠をとる、長時間のスマホやパソコン作業を避ける、首肩のストレッチを行う、リラックスする時間を作るといった生活習慣の見直しも大切です。
鍼灸の施術では、手足や首・肩・肩甲骨、腰・骨盤などのツボを使用し、全身調整を行います。
それによって、曲鬢の持つ「側頭部の引きつりを緩め、顔まわりの巡りをスムーズにする力」が最大限に引き出されるでしょう。




コメントをお書きください