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腎に属するツボ「腹通谷」

深呼吸ができる軽やかなお腹になるために

腹通谷とは?


【腹通谷(はらつうこく)】は、足の少陰腎経に属するツボで、腎経の第20穴にあたります。腎は東洋医学において、生命エネルギーの基盤、水分代謝、ホルモンバランス、消化吸収のサポートなどに関わるとされています。

  • 腹通谷の「通」は、通り抜けることを意味します
  • 腹通谷の「谷」は、山間に水が流れるくぼみ(ここでは胃腸の通り道)を意味します

足元から昇ってきた腎経のエネルギーが、この「谷」をスムーズに通過することで、消化器全体の働きが円滑になるとされています。 足の太陽膀胱経にも同名の「通谷(足通谷)」というツボがあるため、区別するために「腹通谷」と呼ばれます。

 

腹通谷は、腎経と「衝脈(しょうみゃく)」が交わる場所であり、特に「上に向かって突き上げてくる不快な気」を鎮め、正しく下へと導く力が強いのが特徴です。

 

特に、「食後の停滞感や消化の遅れがある状態」に適したツボです。

 

腹通谷の探し方


腹通谷

腹通谷は、おへそから指の幅6本分上で、そこから外側へ指の幅半分(約0.5寸)ずれた場所にあります。

  1. まず、おへその中心を確認します。
  2. おへそから真上に向かって、指の幅4本(3寸)を2回重ねる、あるいは指の幅を組み合わせて指6本分(約5寸)上がります。
  3. その位置(上脘の高さ)から、外側へ指の幅半分(約1センチ強)ずれた場所が腹通谷です。
  4. ちょうど、みぞおちの一番くぼんだ部分(剣状突起)の少し下に位置します。指で軽く押さえると、胃にダイレクトに響くような感覚や、食べ過ぎの時は圧痛を感じやすい場所です。

*みぞおちの少し下、やや外側にあるツボ」のイメージです。軽い圧痛や張り感がある場所が目安です。内臓に近い部位のため、強い圧は避けましょう。

腹通谷はこんなお悩みに


腹通谷は、次のようなお悩みに用いられることがあります。

  • 慢性胃炎・胃痛: 胃の蠕動運動を助け、重だるさやキリキリした痛みを緩和します。
  • しゃっくり・嘔吐: 逆流しようとする気を鎮め、横隔膜の痙攣やムカムカを抑えます。
  • 食欲不振: 胃のつかえを取り除き、自然な空腹感を引き出します。
  • 動悸・精神不安: みぞおちの緊張が解けることで、心臓への圧迫感が減り、心が落ち着きます。
  • 呼吸の浅さ: 横隔膜が動きやすくなり、深く豊かな呼吸ができるようになります。

そのほか、胃の張り、食後の不快感、消化不良、胃もたれ、食べ過ぎによる不調、お腹の詰まり感などにも使用されることがあります。

特に、「胃の動きが鈍く、内容物が停滞している状態」に適しています。

 

*強い腹痛や吐き気・嘔吐がある場合は医療機関へご相談ください。

 

腹通谷のセルフケア方法


「通りを良くする場所」なので、“指の温もりで緊張を溶かし、優しく流す”のがコツです

 

おすすめのケア方法は次のとおりです。

  • 火を使うお灸
  • 火を使わないお灸
  • パイオネックス(置き鍼)
  • ツボ押し

 

(注意点)

  • 火を使うお灸:「冷たいものの飲み過ぎで胃が動かない時や、胃痛が長引く時」に非常に有効です。心地よい熱さを感じるまで据えましょう。ここを温めることで、停滞していた「谷の水(エネルギー)」がさらさらと流れ出し、体が軽くなるのを実感できます
  • 火を使わないお灸:胃が弱く、少し食べただけでお腹が張ってしまう方に最適です。ここに「太陽」を貼ることで、胃の温度が保たれ、消化酵素の働きを助けるとともに、内臓の緊張を日常的に和らげることができます3時間以上は貼らないこと)
  • パイオネックス(置き鍼):みぞおち付近は非常に敏感なエリアなので、極めて細く短いタイプを貼ることで、体に負担をかけずに巡りをサポートできます(1日以上貼らないこと)
  • ツボ押し:仰向けになり、膝を立ててリラックスします。中指の腹をツボに当て、息をゆっくり吐きながら、お腹の奥へ吸い込まれるようなイメージで優しく圧を加えます。そのまま、みぞおちからおへそに向かって、優しくなで下ろすようにマッサージすると、胃のつかえが取れやすくなります

*心臓に近い場所ですので、激しい動悸がある時や、食後すぐの強い刺激は控えてください。また、お灸の際は火傷に十分注意し、熱いと感じたらすぐに取り除きましょう

セルフケアで変化が感じられない時は


胃の張りや消化不良は、食べ過ぎ・早食い、ストレス、不規則な食生活、冷たい飲食物の摂りすぎ、自律神経の乱れなどが関係しています。

また、激しい胃の痛み、黒い便(血便の疑い)、または体重が急激に減少している場合などは、消化器科での精査が必要です。

 

自分でケアしても胃の重みや呼吸の苦しさが改善しない、と感じる時は、無理をせず医師や鍼灸師に相談しましょう。

そのほか、よく噛んで食べる、食事量を調整する、温かいものを中心にする、食後はリラックスする、適度な運動を取り入れるといった日常習慣の見直しも重要です。

 

鍼灸の施術では、手足や首、肩・肩甲骨、腰・骨盤などのツボを使用して、全身調整を行います。

それによって、腹通谷の持つ「滞りを流し、呼吸と胃腸を調和させる力」が最大限に引き出されるでしょう。


横須賀市の鍼灸院 山本鍼灸院

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