胸がつかえてなんとなく息苦しい時に
歩廊とは?
【歩廊(ほろう)】は、足の少陰腎経に属するツボで、腎経の第22穴にあたります。腎は東洋医学において、生命エネルギーの基盤、水分代謝、ホルモンバランス、呼吸のサポートなどに関わるとされています。
- 歩廊の「歩」は、あゆむことを意味します
- 歩廊の「廊」は、建物の外周にある屋根付きの通路(廊下)を意味します
腎経のエネルギーがお腹から胸へと上がり、まるで美しい廊下を歩くように、心臓や肺のそばを巡り始める場所です。
歩廊は、腎経のエネルギーがお腹から胸へと上がり、まるで美しい廊下を歩くように、心臓や肺のそばを巡り始める場所です。
そのため、胸の気の巡りを整える、呼吸を深くする、胸のつかえをやわらげる、緊張による息苦しさを緩和するといった働きがあるとされ、胸の圧迫感、呼吸の浅さ、息苦しさ、緊張しやすい、不安感による胸の違和感などに用いられることがあります。
特に、「ストレスや緊張で呼吸が浅くなっている状態」に適したツボです。
歩廊の探し方
歩廊は、胸の中心(胸骨)から外側へ指の幅2本分ずれた、第5肋間にあります。
- まず、左右の乳首を結んだ線の高さ(第4肋間)を確認します。
- そこから肋骨を一つ分、下に下がります(ここが第5肋間です)。
- 体の中心線(胸骨の正中線)から、外側へ指の幅2本分(約2寸)ずれた場所が歩廊です。
- ちょうど、アンダーバストのライン付近、肋骨と肋骨の間のくぼみに位置します。指先で軽く触れると、少し凹んでいて、凝っている人はピリッとした痛みを感じる場所です。
*胸の中央寄り、やや内側にあるツボのイメージです。呼吸に合わせて軽く響く場所が目安です。肋骨・肺に近い部位のため、強い圧は避けましょう。
歩廊はこんなお悩みに
歩廊は、次のようなお悩みに用いられることがあります。
- 咳・喘息: 胸郭の緊張を緩め、呼吸器の通りを良くして咳き込みを鎮めます。
- 胸の痛み・圧迫感: ストレスによる胸のつかえや、締め付けられるような不快感を緩和します。
- 動悸・不安感: 高ぶった神経を落ち着かせ、心拍のリズムを整える助けになります。
- 肋間神経痛: 肋骨沿いのピリピリとした痛みを和らげます。
- 食欲不振: 胸の緊張が解けることで、連動している胃腸の動きもスムーズになります。
そのほか、胸のつかえ、呼吸が浅い、息苦しさ、緊張しやすい、不安感による胸の違和感などにも使用されることがあります。
特に、「呼吸が浅く、胸が広がりにくい状態」に適しています。
*強い胸痛や動悸、呼吸困難がある場合は医療機関へご相談ください。
歩廊のセルフケア方法
「呼吸の通り道を広げる場所」なので、“優しく触れ、温かさを届ける”のがコツです。
おすすめのケア方法は次のとおりです。
- 火を使うお灸
- 火を使わないお灸
- パイオネックス(置き鍼)
- ツボ押し
(注意点)
- 火を使うお灸:「胸が冷えて呼吸が苦しい時や、気分の落ち込みが激しい時」に有効です。心地よい温かさを感じるまで据えましょう。お灸の熱が「廊下」を通る風のように、胸に溜まった停滞感を吹き飛ばしてくれます
- 火を使わないお灸:冷えによる咳が出やすい方や、常に不安を感じやすい方に最適です。ここに「太陽」を貼ることで、胸部がじんわりと温まり、緊張で固まった筋肉がほぐれて心が解放されます(3時間以上は貼らないこと)
- パイオネックス(置き鍼):胸部は皮膚が比較的薄いため、短いタイプでも十分に刺激が伝わります。日常的に貼っておくことで、ストレスによる胸の苦しさを未然に防ぐことができます(1日以上貼らないこと)
- ツボ押し:椅子に座ってリラックスするか、仰向けになります。人差し指と中指を揃えてツボに当て、ゆっくり息を吐きながら、肋骨の隙間に指を沈めるように優しく圧を加えます。強く押すのではなく、円を描くように優しくマッサージすると、次第に胸が広がり、呼吸が深くなるのがわかります
*胸部は骨が近く、心臓や肺がある重要なエリアです。強く叩いたり、無理に押し込んだりしないでください。また、お灸の際は煙を吸い込みすぎないよう換気を行い、熱すぎると感じたらすぐに取り除きましょう
セルフケアで変化が感じられない時は
胸のつかえや呼吸の浅さは、ストレスや緊張、姿勢の悪さ(猫背)、自律神経の乱れ、運動不足、長時間のデスクワークなどが関係しています。
また、突然の激しい胸の痛み、左肩や顎にまで広がる痛み、ひどい息切れがある場合は、心臓や肺の疾患の可能性があるため、直ちに専門の医療機関を受診してください。
セルフケアをしても胸のモヤモヤが取れず、眠りが浅い、といった時は、無理をせず医師や鍼灸師に相談しましょう。
そのほか、姿勢を整える(胸を開く)、深呼吸を習慣にする、軽いストレッチを行う、リラックス時間を確保するといった日常習慣の見直しも重要です。
鍼灸の施術では、手足や首、肩・肩甲骨、腰・骨盤などのツボを使用し、全身調整を行います。
それによって、歩廊の持つ「心と呼吸を調和させる力」が最大限に引き出されるでしょう。




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