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腎に属するツボ「兪府」

全身に気を流し、呼吸と胃腸を同時に癒す

兪府とは?


【兪府(ゆふ)】は、足の少陰腎経に属するツボで、腎経の第27穴(最終穴)にあたります。腎は東洋医学において、生命エネルギーの根本、呼吸の深さ(納気)、成長・発育・回復力、自律神経の安定などに関わるとされています。

  • 兪府の「兪」は、輸送や注ぐこと(ツボの意)を意味します
  • 兪府の「府」は、宝物や公文書を収める蔵、あるいは集まる場所を意味します

すなわち、足の裏の「湧泉」から湧き上がった生命エネルギーが、長い旅を経て最終的にここに集結し、全身へと注がれる重要な拠点であることを示しています。

 

兪府は、 腎経のルートの最後にあたるため、ここが滞ると「気が下に降りず、上で渋滞する」状態になり、咳や吐き気といった症状が出やすくなります。

 

特に、「呼吸が浅く、エネルギーが内側に取り込めていない状態」に適したツボです。

 

兪府の探し方


兪府

兪府は、鎖骨のすぐ下、胸の中心(胸骨)から外側へ指の幅2本分ずれた場所にあります。

  1. まず、左右の鎖骨を確認し、その内側の端(胸骨と接する部分)を見つけます。
  2. 鎖骨のすぐ下にある、指が入り込むようなくぼみを探してください。
  3. 身体の中心線(胸骨の正中線)から、外側へ指の幅2本分(約2寸)ずれた場所が兪府です。
  4. 人差し指で鎖骨の下をなぞるように触れると、少し凹んでいて、呼吸器が疲れている時やストレスがある時には、特有のズーンとした響きや痛みを感じる場所です。

*鎖骨の内側の下にある小さなくぼみのイメージです。軽い圧痛や詰まる感じがある場所が目安です。肺に近くデリケートな部位のため、強い刺激は避けましょう。

兪府はこんなお悩みに


兪府は、次のようなお悩みに用いられることがあります。

  • 咳・喘息・気管支炎: 肺の働きを助け、喉のイガイガやしつこい咳を鎮めます。
  • 食欲不振・吐き気: 胃から逆流しようとする気を鎮め、消化のリズムを正常に戻します。
  • 胸痛・胸の圧迫感: 胸元をひろげることで、息苦しさや不安感を解消します。
  • 慢性疲労: 腎の精気を全身へ巡らせ、根本的なスタミナ不足を補います。
  • 首こり・肩こり: 胸の最上部の強張りを取ることで、首の付け根周りの緊張を緩和します。

そのほか、呼吸が浅い、疲れやすい、息切れ(軽度)、胸の詰まり感、気力の低下、ストレスによる不調などに使用されることがあります。

特に、「呼吸とエネルギーの取り込みが弱くなっている状態」に適しています。

 

*強い胸痛、呼吸困難、長引く体調不良がある場合は医療機関へご相談ください。

 

兪府のセルフケア方法


「全身の気が集まる蔵を整える場所」なので、“優しく触れ、溜まった疲れを解き放つ”のがコツです

 

おすすめのケア方法は次のとおりです。

  • 火を使うお灸
  • 火を使わないお灸
  • パイオネックス(置き鍼)
  • ツボ押し

 

(注意点)

  • 火を使うお灸:「気力が全く湧かない時や、冷えによる激しい咳がある時」に非常に有効です。心地よい温かさが胸の奥まで浸透するのを待つように据えましょう。ここを温めることで、全身の巡りのスイッチが入り、体が軽くなるのを実感できます
  • 火を使わないお灸:虚弱体質で風邪を引きやすい方や、常に喉の違和感がある方に最適です。ここに「太陽」を貼ることで、胸部の冷えが解消され、生命力の「蔵」が温まることで免疫力のサポートにもつながります3時間以上は貼らないこと)
  • パイオネックス(置き鍼):鎖骨付近は皮膚が動きやすいですが、パイオネックスなら邪魔にならず、日常的に呼吸器の緊張を和らげてくれます(1日以上貼らないこと)
  • ツボ押し:リラックスして座り、肩の力を抜きます。人差し指と中指を揃えてツボに当て、ゆっくり息を吐きながら、鎖骨の裏側に指を少し潜り込ませるようなイメージで優しく押し上げます。3〜5回ほどゆっくりと圧を加えましょう。胸がひらき、空気が肺の隅々まで行き渡るような感覚が得られます

*すぐ下には肺があり、近くを大きな血管が通っています。尖ったもので強く突いたり、無理に押し込んだりしないでください。お灸の際は、熱さを感じやすい部位ですので注意深く行いましょう

セルフケアで変化が感じられない時は


呼吸の浅さや気力の低下は、慢性的なストレス、睡眠不足、過労、姿勢不良、自律神経の乱れなどが関係しています。

呼吸をするたびに激しい痛みがある、痰に血が混じる、あるいは横になれないほどの息苦しさがある場合は、重大な疾患の可能性があるため、早急に医療機関を受診してください。

 

自分でケアしても胸のつかえが取れず、体力が回復しない、と感じる時は、無理をせず鍼灸師に相談しましょう。

そのほか、深呼吸を習慣にする、姿勢を整える、十分な休息をとる、身体を冷やさない、軽い運動を取り入れるといった生活習慣の見直しも大切です。

 

鍼灸の施術は、手足や首・肩・肩甲骨・腰・骨盤などのツボを使用し、全身調整を行います。

それによって、兪府の持つ「全身の気を統括し、内臓の働きを底上げする力」が最大限に引き出されるでしょう。

 


横須賀市の鍼灸院 山本鍼灸院

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