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三焦に属するツボ「顱息」

頑固な耳鳴りや脳の興奮を鎮めたい時に

顱息とは?


【顱息(ろそく)】は、手の少陽三焦経に属するツボで、三焦経の第19穴にあたります。三焦は東洋医学において、気や水分の通り道、頭部や感覚器の働き、全身の巡り、自律神経のバランスなどに関わるとされています。

  • 顱息の「顱」は、頭蓋骨や頭全体(特に側頭部)を意味します
  • 顱息「息」は、息をする、休息する、静める、あるいは止めることを指します

すなわち顱息は、現代社会の過度なストレス等によって、休まる暇のない「頭をしっかりと休ませ、乱れた息を整えてリラックスさせる拠点」であることを示しています。

 

 東洋医学において、ストレス等は頭部に「上焦の熱」をこもらせ、これが耳鳴りや偏頭痛、不眠を引き起こすと考えられています。

 

そのため顱息は、耳周辺の巡りを整える、側頭部の緊張をやわらげる、頭部への気血の流れを促す、耳や頭の不快感を軽減するといった働きがあるとされ、耳鳴り、耳の閉塞感、頭重感、側頭部の頭痛、首肩こりに伴う不快感などに用いられることがあります。

 

特に、「耳から側頭部にかけて緊張や循環不良が起きている状態」に適したツボです。

 

顱息の探し方


顱息

顱息は、耳の後ろにある弓状の骨のキワで、耳の後ろの尖った骨(乳様突起)から耳の上端へ向かって、下から3分の2上がったところにあります。

  1. 首をまっすぐ正面に向け、耳の後ろにある一番尖った骨(乳様突起)のすぐ下のくぼみ、翳風を起点にします。
  2. そこから耳の付け根のカーブ(後ろ側のライン)に沿って、耳の真上、角孫に向かって骨のキワを上がっていきます。
  3. 耳の後ろのカーブを3等分したとき、下から1番目の点が、瘈脈、2番目の高い点(上から3分の1下がったところ)が顱息です。
  4. ちょうど「耳の穴」よりも少し上、耳の裏側の真ん中よりやや高い位置にあたり、指先で触ると骨のキワにペコッと浅いくぼみを感じる場所です。

*耳の上から後ろへたどると見つけやすくなります。押すと耳やこめかみ周辺に響く感じがある場所が目安です

*頭部は刺激に敏感なため、強く押しすぎないようにしましょう

顱息はこんなお悩みに


顱息は、次のようなお悩みに用いられることがあります。

  • 不眠・寝付きの悪さ・精神不安: 脳の過剰な興奮やストレスを鎮め、深い睡眠と心の落ち着きをサポートします。
  • 頑固な偏頭痛・側頭部痛: 側頭部の引きつった頭皮や血管の緊張を緩め、ズキズキ・ピキピキする頭痛を緩和します。
  • 慢性の耳鳴り・耳の閉塞感: 耳の裏側からダイレクトにアプローチし、長引く耳の雑音や詰まった不快感をスッキリ通します。
  • 眼精疲労・目の奥の痛み: パソコンやスマホの画面の見すぎによる目の緊張をほぐし、視界をパッと明るくします。
  • 小児の夜泣き・引きつけ: お子様の高ぶった自律神経を優しくなだめ、穏やかな睡眠へ導くツボとしても知られています。

そのほか、頭重感、こめかみの張り、首肩こりなどにも使用されることがあります。

特に、「耳や頭の横に緊張や巡りの滞りが起きている状態」に適しています。

 

*急な難聴、激しい頭痛、強いめまいなどがある場合は医療機関へご相談ください。

 

顱息のセルフケア方法


「張り詰めた脳と神経を休ませる場所」なので、“優しく指の圧を沈めるか、マイルドな温熱で包み込む”のがコツです

 

おすすめのケア方法は次のとおりです。

  • 火を使うお灸
  • 火を使わないお灸
  • パイオネックス(置き鍼)
  • ツボ押し

 

(注意点)

  • 火を使うお灸:「冷えや慢性疲労で耳の後ろが硬く突っ張り、耳鳴りや頭痛が長引いている時」に有効です。デリケートな場所なので、ご家族に手伝ってもらいましょう。心地よい温熱を据えることで、頭の中に溜まった不要な熱が外へと優しく発散されます
  • 火を使わないお灸:頭ののぼせや脳疲労のケアにおすすめの方法です。マイルドな温熱が側頭部をじんわりと温め、ガチガチだった頭皮が内側から解きほぐされていきます3時間以上は貼らないこと)
  • パイオネックス(置き鍼):短いパイオネックスを貼ることで日常の動作を邪魔せずに持続的な微細刺激を送り、ストレスによる急な偏頭痛やイライラを未然に防ぐ効果が期待できます(1日以上貼らないこと)
  • ツボ押し:人差し指か中指の腹をツボに当てます。頭の中心に向かって垂直に指の重みを沈めていきます。夜、深呼吸をしながらここを優しくマッサージすると、頭の緊張がフッと抜けて心地よい眠りに入りやすくなります

*顱息は皮膚のすぐ下に骨があり、細い神経や血管が走る非常に繊細なポイントです。「気持ちいい〜優しい圧」を意識してください。また、お灸を使用する際も、熱さを無理に我慢しないようにしましょう

セルフケアで変化が感じられない時は


耳鳴りや頭重感は、ストレス、睡眠不足、首肩こり、眼精疲労、自律神経の乱れなどが関係しています。

また、突然経験したことのないような激しい頭痛に襲われた場合や、激しいめまいで吐き気がして動けない、片方の耳が急に全く聞こえなくなった(突発性難聴などの疑い)という場合は、一刻を争う可能性があるため、速やかに脳神経外科や耳鼻咽喉科などの医療機関を受診してください。

 

慢性的な不眠や耳鳴りが辛く、セルフケアを続けてもなかなか頭が休まらない、という時は、無理をせず医師や鍼灸師にご相談ください。

そのほか、十分な睡眠をとる、首肩の緊張をほぐす、スマホやパソコンの使用時間を見直す、適度に休憩をとる、ストレスをため込まないといった生活習慣の見直しも重要です。

 

鍼灸の施術では、手足や首・肩・肩甲骨、腰・骨盤などのツボを使用し、全身調整を行います。

それによって、顱息の持つ「脳を休息させ、上半身の滞りと緊張を癒す力」が最大限に引き出されるでしょう。


横須賀市の鍼灸院 山本鍼灸院

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