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三焦に属するツボ「三陽絡」

腕全体の重だるさと耳の違和感が気になる時に

三陽絡とは?


【三陽絡(さんようらく)】は、手の少陽三焦経に属するツボで、三焦経の第8穴にあたります。三焦は東洋医学において、気や水分の巡り、自律神経のバランス、体温調整、全身のエネルギー循環などに関わるとされています。

  • 三陽絡の「三陽」は、手の甲側を走る3つの陽の経絡(手の少陽三焦経・手の大腸経・手の太陽小腸経)を指します
  • 三陽絡の「絡」は、それらが互いに網の目のように繋がり、連絡し合っていることを意味します

すなわち、三陽絡ひとつを刺激するだけで、これら3つの経絡すべてに同時にアプローチできるという非常に効率的でパワフルな特徴を持っています。

 

そのため、腕や肩の緊張をやわらげる、耳まわりの巡りを整える、疲労による滞りを改善する、気血の流れを促すといった働きがあるとされ、耳鳴り、耳の閉塞感、腕のだるさ、肩こり、疲労感などに用いられることがあります。

 

特に、「疲れやストレスによって上半身の巡りが低下している状態」に適したツボです。

 

三陽絡の探し方


三陽絡

三陽絡は、手首の甲側のシワから、肘に向かって指の幅5本半分(4寸)上がった、2本の骨の間にあります。

  1. 手のひらを下に向け、手首の甲側にある横シワを確認します。
  2. そのシワの中央から肘に向かって、まずは反対の手の人差し指から小指までの4本(3寸)を当てます。
  3. さらにその上へ、親指の幅1本分(1寸)を足します(手首のシワから合計4寸上がった高さです)。
  4. 前腕を走る2本の骨(橈骨と尺骨)のちょうど隙間の真ん中にあります。
  5. 親指の腹で骨の隙間を深く押し込むと、前腕全体から手首、あるいは肘に向かって「ズーン」と非常に重く強い響きが広がる場所です。

*以前ご紹介した支溝から、指の幅1本分(1寸)だけ肘側へ上がった場所、と覚えると非常にスムーズです。力を入れすぎず、筋肉がゆるんだ状態で探すと見つけやすいです。

三陽絡はこんなお悩みに


三陽絡は、次のようなお悩みに用いられることがあります。

  • 腕全体の疲労・重だるさ: パソコンやスマホ、重いものを持ったことでパンパンに張った前腕や手の強張りをほぐします。
  • 頑固な偏頭痛・側頭部痛: 3つの陽経のルートである頭の側面をスムーズにし、締め付けられるような頭痛を緩和します。
  • 歯痛・顎の痛み: 顔まわりにこもった熱や気の滞りを引き下げ、歯の浮くような痛みや痛みを和らげる特効穴です。
  • 突発的な耳鳴り・耳の詰まり: 耳周辺の気血の巡りを劇的に良くし、急に聞こえにくくなった不快感をすっきり通します。
  • 急な声枯れ・のどの詰まり: 喉を通過する経絡の緊張を緩め、声が出にくい状態(失音)をケアします。

そのほか、耳鳴り、耳のつまり感、肩こり、腕のだるさ、疲労感、首肩の張りなどにも使用されることがあります。

特に、「疲労やストレスによって気血の巡りが滞っている状態」に適しています。

 

*急な聴力低下や強い痛みがある場合は医療機関へご相談ください。

 

三陽絡のセルフケア方法


「3つの経絡が交わる深い合流点」なので、“骨の隙間の奥を狙い、優しく持続的な刺激で解きほぐす”のがコツです

 

おすすめのケア方法は次のとおりです。

  • 火を使うお灸
  • 火を使わないお灸
  • パイオネックス(置き鍼)
  • ツボ押し

 

(注意点)

  • 火を使うお灸:「腕が冷えて固まり、頭痛や歯の痛みが長引いている時」に非常に有効です。心地よい温熱が前腕の深部までしっかり染み通るように据えましょう。3つの経絡が同時に温まることで、上半身の血流がダイレクトに活性化され、痛みの物質が押し流されます
  • 火を使わないお灸:デスクワーク中の慢性的な腕の疲れや頭痛予防に最適です。前腕のくぼみに「太陽」を貼っておくことで、マイルドな温熱が持続し、腕だけでなく肩や首すじのコリまで連動して軽くなるのが実感できます3時間以上は貼らないこと)
  • パイオネックス(置き鍼):日常的に腕を酷使する仕事の前や、あご・歯のシクシクした痛みをコントロールしたい時のお守りとして活躍します(1日以上貼らないこと)
  • ツボ押し:腕をリラックスさせ、机や太ももの上に置きます。反対の手の親指をツボに当て、息をゆっくりフゥーっと吐きながら、2本の骨の隙間の奥へ向かって垂直に圧を加えます。非常に響きやすい場所ですので、力任せに押すのではなく、指の重みを深く沈めていくイメージで行うと、腕の緊張がフッと抜けていきます

*3つの経絡が交差する要所であるため、他のツボに比べて刺激に対してとても敏感です。無理に激痛を伴う強さで揉みほぐすと、翌日に揉み返しが出たり筋肉を傷めたりする原因になります。お灸を使用する際も、熱さを我慢しすぎず心地よさを基準に行いましょう

セルフケアで変化が感じられない時は


耳の違和感や肩・腕のだるさは、疲労の蓄積、ストレス、血行不良、長時間の同一姿勢、睡眠不足などが関係しています。

また、突然の激しい歯の痛みで顔が腫れてきた場合、あるいは片方の耳が全く聞こえなくなったり激しいめまいを伴う場合は、虫歯・歯周炎や突発性難聴などの可能性があるため、速やかに歯科や耳鼻咽喉科を受診してください。

 

毎日ケアしているのに腕のしびれが取れない、偏頭痛で毎回寝込んでしまう、という時は、無理をせず医師や鍼灸師にご相談ください。

そのほか、肩や首を温める、長時間同じ姿勢を避ける、適度なストレッチを行う、十分な睡眠をとるスマホやパソコンの使いすぎを見直すといった日常習慣の見直しも重要です。

 

鍼灸の施術では、手足や、首・肩・肩甲骨、腰・骨盤などのツボを使用し、全身調整を行います。

それによって、三陽絡の持つ「3つの経絡を同時に呼び覚まし、上半身の激しい痛みや重だるさを一気に解放する力」が最大限に引き出されるでしょう。


横須賀市の鍼灸院 山本鍼灸院

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