お腹の不調を丸ごと包む「内臓の休息所」
府舎とは?
【府舎(ふしゃ)】は、太陰脾経に属する腹部のツボです。
- 府舎の「府」は、五臓六腑の府(胃・小腸・大腸・胆・膀胱・三焦)を意味します
- 府舎の「舎」は、住居や宿舎を意味します
多くの経絡がこの場所に集まり、内臓の気が宿る場所であるという由来があります。
東洋医学では脾経に属していますが、肝経や陰維脈(いんいみゃく)とも交わるため、単なる消化器のケアに留まらず、腹部の気血の巡りや水分代謝の調整に関わるポイントとして用いられることがあります。
特に、胃腸機能の低下や下腹部の不快感に関連するケースで使われます。
府舎の探し方
府舎は、足の付け根(鼠径部)のシワの上で、おへその中心から斜め下に指幅5〜6本分ほど離れたところにあります。
- 仰向けに寝るか、椅子に深く腰掛けてリラックスします。
- 以前紹介した衝門から、人差し指の幅1本分(約0.7寸)ほど斜め上に上がった場所を探します。
- おへその中心から下へ指幅4本分(約3寸)、そこから左右外側へ指幅5本分(約4寸)ほど離れた位置を目安にしてください。
*足の付け根のシワのすぐ上で、お腹の筋肉(腹直筋)の外側の縁あたりを指で軽く押さえると、少しジーンと響くポイントがあります。
府舎はこんなお悩みに
府舎は次のようなお悩みのセルフケアに用いられることがあります。
- 腹痛・下腹部の張り:お腹の張りや痛みを和らげ、内臓の緊張をリラックスさせます。
- 慢性的な便秘・下痢:腸の動きを正常化し、排便のリズムを整える助けとなります。
- 婦人科系の違和感:衝門に近い場所にあるため、生理痛や下腹部の冷え、PMSなどにも期待できます。
そのほか、食欲不振、ガスが溜まりやすいなどにも使用されることがあります
*強い腹痛や長引く便通異常がある場合は医療機関へご相談ください。
府舎のセルフケア方法
内臓に近い場所なので、“優しく包み込むような温熱”が効果的です
おすすめのケア方法は次のとおりです。
- 火を使うお灸
- 火を使わないお灸
- パイオネックス(置き鍼)
- ツボ押し
(注意点)
- 火を使うお灸:心地よい温かさを届けましょう。お腹全体が緩んで柔らかくなる感覚があれば成功です
- 火を使わないお灸:温めることで内臓の血流がよくなり、お腹の張りが楽になります(3時間以上は貼らないこと)
- パイオネックス(置き鍼):半日程度貼っておくと、便通のサポートになります(1日以上貼らないこと)
- ツボ押し:手のひらで優しく円を描くように刺激します
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*強い腹痛・しこり・出血・発熱がある場合は、その部位への刺激は行わず、医療機関を受診してください
セルフケアで変化が感じられない時は
腹部の不調は、腸内環境の乱れだけでなく、冷え、ストレス、睡眠不足、自律神経の不調などが関係していることがあります。
セルフケアしてもお腹がスッキリしない、と感じる時は、無理に続けるより、専門家にご相談ください。
鍼灸施術では、背中や手足にあるツボを組み合わせながら全身を調整していきます。
それによって、府舎の持つ、「内臓を整える宿舎」としての力が、より効果的に発揮されるでしょう。




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